知っておこう日本の国防 〜北朝鮮編〜 【せんべい手帳⑤】

5 2020/11/16 19:55

しばらく投稿間隔があいてしまい申し訳ない。今回から日本が抱える国防問題について国別に読み解いていくシリーズである。今回は対北朝鮮だ。国際秩序を無視し、核の開発を続ける北朝鮮。日本に求められることは何か、見ていこう。

北朝鮮という国


北朝鮮の正式名称は「朝鮮民主主義人民共和国」である。北朝鮮の「北」というのは朝鮮半島を大韓民国と北緯38度線あたりを境に南北にわけている内の「北側」だから北朝鮮と呼称されているのだ。英語では「North Korea」。「北の朝鮮」である。「共和国」とあるが、これは嘘っぱちだ。「共和国」というのは君主(王様)が存在しない国家のことであり、金王朝が支配を続ける北朝鮮は事実上は「君主国」である(当事者らは否定しているが)。また「民主主義」とあるが(読者諸君もお分かりだろうが)とても民主的とは言えない。実は北朝鮮では選挙が行われている。だが、その仕組みは酷いものである。先ず朝鮮労働党の候補をたてる。その候補を承認するのならば、投票用紙に何も書かずに投票をする。承認しないのであれば✘を書いて投票するという制度になっているのだ。✘を書いた人間がどうなるかはお察しの通りである。また、義務投票制になっているため投票率は100%だ。ついでに日本は朝鮮民主主義人民共和国を国として認めていない。これは1965年に締結された日韓基本条約で、大韓民国を「朝鮮にある唯一の合法的な政府」としていることに起因する。米韓仏国も北朝鮮を国家として認めていない。だから「北朝鮮」と地域の名前で呼称しているのだ。

北朝鮮の歴史


北朝鮮の歴史は第二次世界大戦終了後に遡る。当時、北朝鮮地域含む朝鮮半島は大日本帝国の朝鮮総督府の支配を受けていた。しかし、第二次世界大戦に日本が敗戦、それに伴い日本の朝鮮統治が終了することになる。その後、朝鮮半島は北緯38度以南を米国に、以北をソ連に支配されることとなった。この北部が後の北朝鮮で社会主義の大国、ソビエト連邦に支配されたことが今日の社会主義国家としての源流となるわけである。その後、南北朝鮮は互いが「朝鮮半島における唯一の正当な政府」であると主張しあい、1950年、北朝鮮が「南朝鮮人の開放」を目指し韓国へ侵攻したことで朝鮮戦争が勃発した。(ついでにこの戦争に必要になった軍需物資が日本で調達され、戦後日本は経済復興を早めることとなった)当時世界は米国を中心とした資本主義陣営(西側諸国)とソ連を中心とした社会主義陣営(東側諸国)に別れて対立する「東西冷戦時代」であり、資本主義国家である韓国側を米国が、社会主義国家である北朝鮮側を中国がそれぞれ支援した。その後、国連軍が攻勢を強め、1953年に停戦を迎えた。つまり、朝鮮戦争はあくまでも「停戦」であり「終戦」したわけではないのだ。

北朝鮮と軍事


北朝鮮と聞けば「ミサイル」が思い浮かぶと思う。北朝鮮が保有しているとされる「ICBM」とは、

「intercontinental ballistic missile」の略称で日本語では「大陸間弾道ミサイル」、つまり大洋に挟まれた大陸間を飛翔できるミサイル、遠くまで届くミサイルということだ。北朝鮮にとって「核」とは「外交道具」であり、自国の核を他国にとっての脅威とすることで、外交を有利に進めようとしているのだ。もし、北朝鮮が保有しているという ICBMが本物であれば、日本にとっても相当な脅威だ。現在、ミサイル防衛としてイージス艦によるミサイル迎撃が想定されているが、イージス・アショアの一連騒動にもわかるように完全な状態とは言えない。特に数十、百数十発のミサイルが日本に向かって発射されたとしたら甚大な被害は免れないだろう。日本政府は早急に強固なミサイル防衛システムの確立をすべきで、我々国民もそれを求めていく義務があるのだ。だが、「北朝鮮が核を日本に向けて撃つ」というのは少しリアリティに欠けるとも言える。一つとして、北朝鮮の総合的な軍事力の低さにある。特に航空戦力は乏しく、仮に自衛隊が憲法の制約なしに北朝鮮軍と本格戦争を始めたとしても勝利する可能性は大いにあるだろう。また、北朝鮮がミサイルで先ず狙うであろうのは日本近海を航行する米軍空母であり、日本本土に撃たれる可能性は低いと言える。また、先述の通り北朝鮮にとって核は「外交道具」であり、もし仮に米国へ向けて核を発射するようなことがあれば、米軍により国土が焦土化されることも重々承知であろう。あくまで目標は「金王朝の存続」である。では、そんな北朝鮮を欧米諸国は何故こんなにも恐れているのだろうか。今日、国際社会で恐れられているのは「北朝鮮の内部崩壊」である。現在の北朝鮮は「金王朝の存続」という明確な目標があるが故に核戦争を避けることが出来ている。だが、北朝鮮内でクーデーターやら革命やらが起きてしまい、大混乱の末、世界中に核が撃たれるなんてことがあるかもしれない。そして最も欧米が恐れるのが、その中で、核兵器が所謂「イスラム過激派」のテロリストの手に渡ることである。北朝鮮を王朝存続のため核を撃つのをはばかるが、テロリストは目的達成のために平気で核を使うだろう。そうなったら世界は終わりだ。何時、何処で核を使ったテロが起きるかわからない社会がやってくるかもしれないのだ。それを防ぐためにはやはり、北朝鮮の非核化を進めなければならない。そして、日本人拉致問題の解決も急務である。日本の安全を保つため、北朝鮮との対話と、有事の際のための準備が重要だ。

Thank you for reading!


今回はここまでである。次回は対中国についてだ。記事のリクエストがあったらコメント欄に頼む。

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タグ: 日本 国防 北朝鮮編 せんべい手帳

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政治と経済2020/11/16 19:55:20 [通報] [非表示] フォローする
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あ、やったぁ!

記事更新ありがとうございます✨

今回も勉強になりました!


>>1
ありがとうございます!


>>2
はぁい!


4: 錦村 @nishikimura 2020/11/22 12:36:42 通報 非表示

テロリストが核持つとか恐ろしすぎだろ・・・


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