西行寺幽々子の過去と胡蝶カナエの過去はどっちが悲しい?


無関係の人を苦しめ、それに胸を痛め、命を犠牲に封印し、皮肉にもその木と共に暮らしてる。これ以上悲しい過去は無い。
遥か昔、まだ幽々子が生きている人間であった頃、彼女の父親は有名な歌人であった。彼は桜をこよなく愛しており、死ぬときは立派な桜の木の下で死にたいと考え、その望みどおりに立派な桜の下で生涯を終えた。しかし、彼を慕っていた多くの者がそれに続くようにその桜の下で死のうとしたため、その桜は人の精気を吸って妖怪となってしまい、咲くたびに自ら人を死に誘うようになってしまった。
最初に桜の木の下で死んだ歌人の娘・西行寺幽々子は元々「死霊を操る程度の能力」を持っていたが、この影響から「死を操る程度の能力」を持ってしまい、桜の木と同じく人を死に誘うだけの存在となってしまう。幽々子は父が愛した桜が人を殺すだけの妖怪になってしまっていること、自身も同じ人を殺すだけの存在になってしまっていることを嘆き疎んじ、その桜が満開の時に桜の下で自害した。
その力がある限り転生しても同じ苦しみを味わい続けるだろうと考えられた結果、幽々子の体を鍵として桜の木に封印を施す。これにより西行妖が咲いて人を殺す事は無くなり、幽々子が転生する事も無くなった。
亡霊となった幽々子は生前の記憶を全て捨て、もう悩む事無く冥界で暮らしている。
以上のことより、幽々子が復活させようとした「何者か」は幽々子自身である。もし西行妖を満開にするようなことがあれば、封印が解けて幽々子の死体が解き放たれ、幽々子を亡霊のままでいさせている力も失われる。それはつまり、幽々子自身が消滅してしまう事を意味する。
霊夢たちに阻止されて計画が失敗した後も、彼女が「何者か」の正体を知る事は無かった。
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