数IIIの微積をサラッと解説する
数IIIの微積といっても初等関数を微分したり積分したりするだけのトピです。
なお、積と商の微分公式
(fg)' = f'g + fg'
(f/g)' = (f'g - fg') / g²
および合成関数の微分公式
{f(g)}' = f'(g)g'
は証明せずに用います。
また、lim[h→0][f(h)]はhを0に限りなく近づけたときのf(h)の収束先を表します。
三角関数
まずはsinを定義に従って微分します。
{sin(x)}'
= lim[h→0] [{sin(x + h) - sin(x)} / h]
= lim[h→0] [{sin(x)cos(h) - cos(x)sin(h) - sin(x)} / h]
= lim[h→0] [sin(x){cos(h) - 1} / h] + lim[h→0] [cos(x)sin(h) / h]
= sin(x) lim[h→0] [{cos(h) - 1} / h] + cos(x) lim[h→0] [sin(h) / h]
ここで、
lim[h→0] [{cos(h) - 1} / h] = 0
lim[h→0] [sin(h) / h] = 0
ですので、
{sin(x)}' = cos(x)
続いてcosを微分するのですが、
cos(x) = sin(- x + π/2)
が成り立つので、合成関数の微分公式を用いると、
{cos(x)}'
= {sin(- x + π/2)}'
= {cos(- x + π/2)}(- x + π/2)'
= -sin(x)
最後にtanを微分します
{tan(x)}'
= {sin(x)/cos(x)}'
= [{sin(x)}'cos(x) - sin(x){cos(x)}'] / cos²(x)
= {cos²(x) + sin²(x)} / cos²(x)
= 1 / cos²(x)
積分は微分操作の逆なので、
∫sin(x)dx = -cos(x) + C
∫cos(x)dx = sin(x) + C
指数関数・対数関数
議論の都合上、対数関数から微分します。ここで、対数の底は0<a<1または1<aを満たす実数とします。
{log(x)}'
= lim[h→0] [{log(x + h) - log(x)} / h]
= lim[h→0] [log{(x + h) / x} / h]
= lim[h→0] [log{(x + h) / x}^(1/h)]
= lim[h→0] [log[(1 + h/x)^{(x/h)*(1/x)}]]
= 1/x log {lim[h→0] [(1 + h/x)^(x/h)]}
x/h = t と置きます。またこのとき h→0 ならば t→∞ です。よって、
{log(x)}'
= (1/x) log {lim[h→0] [(1 + 1/t)^t]}
極限 lim[h→0] [(1 + 1/t)^t] はある実数(2.71828…)に収束することが知られていて(証明は割愛)、その値をeと定義します。したがって、
{log(x)}'
= (1/x) log(e)
特に、対数の底 a が e のとき、
{log(x)}' = 1/x
以下、断りのない限り、logの底はeとします。
続いて指数関数y = e^xの微分を考えます。
y = e^x
両辺の自然対数(eを底とした対数)を取ると、
log(y) = x
両辺をxで微分すると、
y' / y = 1
よって、
y' = y
すなわち、
(e^x)' = y' = y = e^x
したがって、指数関数e^xは微分してもe^xのまま変わらないということが分かります。ちなみに、微分操作によって関数の形が変わらない関数はe^x(とその定数倍)以外には存在しないことが知られています。微分方程式の解の一意性定理という定理を使うと証明できるのですが、これは機会があるときに説明しようと思います。
積分は微分操作の逆ですから、
∫(1/x)dx = log(x) + C
∫(e^x)dx = e^x + C
冪関数
数IIの微分では、公式
{x^n}' = nx^(n-1)
における冪関数x^nの指数部分nは自然数に限られていましたが、これは実数へ自然に拡張し、
{x^α}' = αx^(α-1)
とすることができます。以下はその証明です。
y = x^αとし、その両辺の自然対数を取ると、
log(y) = α log(x)
両辺をxで微分し、
y' / y = α / x
y' = αyx⁻¹ = αx^(α-1)
α = 1/2とすれば√xの微分になりますし、α = -1とすれば1/xの微分になります。
次に積分を考えますが、ここでα-1をαに置き換えます。
{x^(α+1)}' = (α+1)x^α
両辺をxで積分します。
x^(α+1) = ∫{(α+1)x^α}dx
α≠-1として両辺をα+1で割ります。
{1/(α+1)}x^(α+1) = ∫{x^α}dx
最後に積分定数を加えて整理すれば、
∫{x^α}dx = {1/(α+1)}x^(α+1)
結論としては
α≠-1のとき、
∫{x^α}dx = {1/(α+1)}x^(α+1) + C
α=-1のとき、
∫{x^α}dx = ∫(1/x)dx = log(x) + C
まとめ
ひたすら計算してきただけなのでここに書く内容はこれといってないです。代わりに今回導いた公式をまとめておきます。
~~~
{sin(x)}' = cos(x)
{cos(x)}' = -sin(x)
{tan(x)}' = 1 / cos²(x)
{log(x)}' = 1/x
(e^x)' = e^x
{x^α}' = αx^(α-1)
~~~
∫sin(x)dx = -cos(x) + C
∫cos(x)dx = sin(x) + C
∫(e^x)dx = e^x + C
α≠-1のとき、
∫{x^α}dx = {1/(α+1)}x^(α+1) + C
α=-1のとき、
∫{x^α}dx = ∫(1/x)dx = log(x) + C
~~~
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数3の微積、問題の難易度が問題集(宿題)>>定期テストだっなあ()
問題集は最低でも1問5分は確実にかかるめんどい計算が多かったから時間かけてやってたけど、定期テストは50分しかないし難しい時間のかかる問題出すと皆終わるからかなり手加減されてた。
主に問題集から出る単元テストのクラス平均が5割くらいだったのに対して、定期テストは7割くらいやったし。
大学のためにもまた復習しておきますね!