終末のイゼッタはおもしろい?つまらない?


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端的に、メカデザ一辺倒
話はWWIIの時期のみ
初回、思わせぶりなミステリ演出で始まり、バッカーノを想起させやや期待
が、すぐに魔法少女ものと判りがっかり
とにかく武器、戦闘機 空母など、リアル描写のミリオタ視点で同好の士への歓心を買う演出を徹底
反して、政治、経済、文芸表現は拙い
忌憚無く言えば女主人公2人の百合もの
魔法使いのオスカルが王女アントワネットに尽くす、そんな構図
結果のためにはなりふり構わなかったようで、とにかく女の衣装が酷い
殊に、若い女だけでしか組織されない公国近衛兵の制服は、乳を挟むように上下のベルトで絞り出すように締め上げる、下品で意味不明のボディコンシャスなキャラデザ
さらに近衛隊長以外、ミニスカにニーハイブーツ
主人公の1人イゼッタもオールホワイトのミニワンピとニーハイブーツ
普段着はキューティハニーの如き乳見せトップス
そもそもOPからして全裸アピール
公国の広報担当は街娼じみたアバズレ衣装で、お堅いメディアのキャリアという知性の欠片も無し
あまっさえ小娘達ににセクハラ三昧
戦争ものは反応が悪いのか知らんが、終始シリアス路線を気取りながら、間の抜けた安直な釣り針まみれの下衆演出は見ていて醒める
イゼッタのカウンターパートであるゾフィーが出て来たところで、少しは面白くなるかと思ったが、イゼッタ懐柔ならずとなるや、これまた下品なオラオラ系に豹変
なろう系の下衆ボス女と大して変わらぬ酷い演出
バトル描写は擦られまくった、ガンダム+フェンネルの、丁々発止かつ何でもあり飛び道具によるハイスピードバトル演出
最後はフリーザのように莫大な元気玉らしきものを、2人揃って拵えてぶつけ合う鳥山明演出
一応、半ばオカルトめいた言説とし実在するレイライン説を、東洋的な龍脈のような定義で、魔力の源泉であるとして設定していたが、それらの力の源泉をイゼッタが全て吸い取ってエネルギー体を作りゾフィーにぶつけ、ぶつけた己も臨界突破でお互い消滅
無事この世から魔女は消滅するから、現状チートウェポンである魔女所持国家に対する脅威認識は持つ必要は無いと、列強の秘密会議に闖入した大公フェーネが各国全権代表らに一席ぶっていたけど、何の科学的エビデンスも示さない口約束だけで疑心暗鬼がデフォの外交折衝を優位に運べるはずも無い
ちなみに、この席でゲルマニア代表の石田彰は流石にミスキャスト
腹芸に長けた演技の得意な内田直哉さん辺りが適役かと
他にも、もはや戦略兵器と呼べる魔女イゼッタの満身創痍ぶりに、近衛隊長ビアンカが泣きながら感情論に任せて「もう戦わなくていい」と、危急存亡の秋に全く裁量無き愚将が稚説で酩酊してみせたり、公女フィーネも国家元首となって以降もリアリズムに徹せられないお花畑思考のままだしで、太ももの絶対領域崇拝作風ありきの小娘ワチャワチャおままごと政治ごっこのポピュリズム演出に、結局ミリオタしか楽しめない作りなんだと思った次第
それでも、交戦シーンにおけるスピード感、ダイナミズムは、他作品よりも秀でた演出だった
特に空母急襲から撃沈までの力の入れようはよくよく伝わって来たし、80年代の宮崎駿が、乗り物のスピード感の演出で見せてきた、アニメでしかできない醍醐味を彷彿とさせるものを提示していたとは思う
ただ、そもそもが魔女の宅急便に金田のバイクの演出が加わり、さらにAKIRA的なセカイ系クローン技術によるモラルハザードサイエンスに、男装の麗人然とした時代がかった台詞回しの宝塚的要素と、基本的には何の新味も無い各要素の雑な足し算だった印象
おまけに「撃ちてし止まん」の玉砕美化演出という、この国の旧弊まで踏襲
蛇足だが、この点、国に幻想を抱かず己がファーストプライオリティだと敢言する、ゲルマニアを捨てたベルクマンの方がよほど先進的で聡明に映る
作品内ではクズ扱いだったが
アニオリで、1クールしか枠もなく、それ故、腰を据えた演出もままならない条件の中で、投資家にそれなりの答えを出すには、日本的おとぎ話観とマニアックな軍事監修とエロという、寿司、カレー、ラーメンみたいな足し算にするより他無かったのかな、と思わんでも無い