小説の名前「カップ麺」
時刻は深夜の1時
部屋の中は、静寂に包まれている。
誰もいないアパートの部屋で、
豆電球をつける。
電気の紐を引くと、
パチンッと音がした後に、
部屋がほんのりと明るくなる。
折りたたみテーブルの上には、
タイマーと割り箸、
そしてカップ麺がおいてあった。
「…よいしょ、」
そう言いながら、ゆっくりとテーブルの前に座った。
海鮮系の美味しそうな臭いが、部屋中にじっくりと広がっていく。
するとその時、タイマーが鳴った。
すぐにタイマーを止め、フタを一気に剥がす。
ペリペリと剥がすと、湯気がむわっ…と広がる。
すぐに割り箸を手に取り、割った。
パキッという音が小さな部屋に響く。
そして割り箸でぐちゃぐちゃと、カップ麺を混ぜた。
麺と具が混ざり合う。
一通り混ぜ終わった後、ゆっくり箸を持ち上げた。
美味しそうな麺が、湯気を上げながら現れる。
俺は麺を口に運んだ。
ズゾゾッ!と音を立てながら啜る。
その時、箸がカランカラン、と落ちた。
そして自分も、ドサッと倒れ込む。
俺は泡を吹いて倒れた。
身体中に痛みが走り出し、
考える事ができなくなっていく。
身体中の痛みに抗おうとして、机をガッ!と蹴飛ばした。
カップ麺が倒れ、床にびちゃびちゃと散らばる。
しばらくすると、のたうち回る事すらできなくなった。
ただ手がプルプルと痙攣していくだけだった。
-終-