ミヤの宝物
「逃げろー、赤目女だ」一人の男子がそういうと周りも同調して騒ぎ出し、笑いが起きる。
女子たちは「ちょっとやめなよー」などというが、強く止めようとはしない。赤い目をしたミヤを気味悪がっているのだ。苦しい、ここにいたくない、涙が止まらない。泣きながら教室を見ると、クラスメイトの顔はえんぴつでぐちゃぐちゃに塗りつぶされていた。顔が見えない、みたくない誰も自分を認めてくれない。こんなことなら声も聞きたくない。うつむき目を瞑った。
「ハア、ハア、ハア、夢?」酷い夢を見た、昨日お兄が落ち込んで帰ってきて、「消えてしまえば」なんて言ったから不安になって嫌なことを思い出した。昨日は撫でてくれたけれど、お兄は暗い顔のままだった。笑顔が見れないとこんなに不安になるものなのか。ダメだ、「置いていかない」と言ってくれたのだから、引きずってはいけない。今日こそアレをやってお兄を笑わせるのだ。眼帯をつけていつものおまじないを唱える「出でよ、暗黒龍」他人が見たらイタイ厨二病と思うだろう、でもコレはボクにとってはお兄がくれた魔法の言葉だ。
いじめられていた時、「俺はお前の目、好きだぞ、魔法使いみたいでかっこいいじゃん」と言ってくれた。
そしておまじないを考えてくれたのだ。眼帯を外して服を着替え、一人でキッチンに行く。大丈夫、学校でやった通りにやるんだ。ボクならできる。
~数時間後~
お兄が起きてきた、キッチンドアから顔を出して大きな声で呼ぶ「おーい朝ご飯できてるよー!!」
ええ?ホントに?お兄がキッチンに入ってきた、そして一瞬固まってそのあと声を上げた。
「うお!!まじじゃん!お前作れたの!!?というかお前怪我とか」
お兄が近づいてきてボクの手を見る。
「やっぱ手切ってんじゃねーか、無理するなよ、もう」だってサプライズして喜んでもらいたかったから、昨日から元気なかったし」
そういうとお兄は少し驚いた顔をしたあと泣きそうな顔で笑って、「そっかありがとうな」と言いながら頭を撫でてくれた。
終
後書き
というわけで、「俺の妹」の続編「ミヤの宝物」でした。また頭を撫でて終わっちゃった。
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