野生のスライムが現れた！

「お兄ーもうちょっと右だよー、もう右すぎ！」

「お兄ちゃんがんばれー」

「うう、スイカどこだよー」

「諸君、スイカもいいがもうすぐ肉が焼けるよ。」

「ありがとうございます、博士。なんのお肉ですか？」

「６８２の体表から剥がれた肉だよ。」

「ええ？！あの爬虫類のですか！！？」

「そんな顔するんじゃない、結構うまいよ？」

「食べません、祟られそうだもん。」

「おいおい確かに６８２は全生物を憎んではいるが、神格実体じゃないんだから。」

「なんなら今度心臓持ってこようか？」

「結構です、食べないから近づかないでください。」

「いや、食べるまで追いかけまわす。」

「ぎゃーこの問題児！」

「「わーい追いかけっこー」

scp２８９収容プロトコル改訂に伴い新設されたサイトβでは、平和な海水浴が行われていた。

「みなさん、すいません。普通の肉持ってきたので。」

「管理官さん！」

「スーツのおじさん！」

「お久しぶりです。」

「お久しぶりですね、ミヤさん、２８９。」

「289、よければ私もお兄さんと…」

「うん、おじさん。」

「おいおい管理官、元は君にあげた肉なんだぞ？」

「誰がアベルが削ぎ落とした肉なんて食べたいんですか」

緊急警報、緊急警報！周辺のヒューム値が低下しています、サイトに退避してください。繰り返します‥

「みなさん、走ってください！」

管理官の指示で全員が走り出す、が、その直後。空からプルプルした生き物が落ちてきた。

「きゅ？」