O5評議会より通達
「なんだと、ブライトが消えた??!!何をやっているのだね君は!!」
O5-5がサイト管理官を怒鳴りつける。
「申し訳ございません、ミーム薬を使用したようで。」
「ことの重大さをわかっているのか、アレを野放しにすれば財団の秘匿性を保てなくなるかもしれんのだぞ!」
「おそらく日本に渡航したものと思われます、漫画雑誌のイベントに興味を示していたとの証言を得ています」
「すぐに日本支部に連絡しろ、出動可能な全機動部隊を急行させ、早急にブライトを拘束するのだ。これは監督評議会命令だ。」
O5-5が指示を飛ばす。
「君はブライトに電話をかけろ、絶対にそこを動くなと伝えるのだ」
「は!」
「もしもし博士!絶対にそこを動かないでください。セキリュティクリアランスを剥奪しますよ!」
『O5-5、289捜索プロジェクトの人員も使用するのですか?」秘書が質問する。
「やむをえまい、ブライトを放置すれば、財団の技術を公に晒すかもしれん。」
「カバーストーリー”集団ヒステリーを発動する!」
〜日本支部~
「O5評議会より緊急通達、繰り返す、O5評議会より緊急通達!ジャックブライト博士を拘束せよ!」
緊急通達を受け、機動部隊員が散布用機に記憶処理剤を積み込んでいる。彼らはこれから野外イベントの会場に記憶処理剤をばら撒かねばならないのだ。ただの人間であるブライト博士よりも298の対応に人員を割くべきにも思われるが、財団施設内でネットにあげる動画を撮影するような人物なので、評議会の判断は妥当であると言わざるをえない。任務の詳細はこうだ。
イベント会場に薬剤を散布し、意識を失っている人々の中からブライト博士を回収する。そして集団で記憶喪失を起こした事として処理する。
シュウウー
会場に薬剤が散布され、機動部隊が降下する。 しかし、いない。ブライト博士がいないのだ。
部隊は混乱し、どこいるのだと探し回るが見つけることはできなかった。
部隊が帰還したのち、一人の男が現れる ジャックブライトだ。
監督評議会命令発動を見越てガスマスクをつけ、半ミーム薬を使用し姿を隠していたのだ。
少し薬品庫を調べれば半ミーム薬をくすねたのはわかることだが、管理官たちは焦るあまり確認していないようだった。
「かくれんぼは私の勝ちだね」ブライトはニヤッと笑った。
「さーて、少し仕事して帰ろうか。」
警察官姿のブライトはそうつぶやき、とある民家を訪ねこう言った。
「すいません、警察ですが、こちらで8歳ぐらいの女の子を保護していらしゃいませんか?」
「おじさん警察じゃないよね?」
出てきた少女はブライトをにらみながらそう言った。
「ほお、よくわかったね。」
続く
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