黒黒コンビ
「じゃあ、黒神さんは黒曜さんの隣に座って。」
教師の顔はひきつっている、かなり緊張しているようだ。
「すげー、黒黒コンビだ。」
「いいなー、黒神さんの隣。」
教室の皆の視線が、ミヤに集中する、あまり気持ちいいものではない。
ミヤ自身目立ちくない性分だし、彼らの視線がどうにも物珍しさから来ているように思うのだ。
それもそうかととも思う、殲滅部隊の隊長の娘、自衛隊の偉い人の娘のようなものだ、それに彼女は任務でここにいる、
それが終わればすぐに地元に帰るだろう。
つまり誰も友達になろうと思っていない、,,忙しいこともあるだろうから邪魔しないように,, 担任もそう言ったばかりだ。
,,それってなんかやだな,,
「ねえ、サイン貰っときなよ。」
誰かがそう言った。
「いや、ボクサインいらない、だってさ、変でしょ?,,友達,,からサインもらうなんて。」
教室が静まり返る。
ミヤはマキに向かって笑った。
「よろしくね、マキちゃん!」
あいつはうまくやってるだろうか?
朝から同じことがぐるぐると頭を巡る、十代から殲滅部隊に入るような子だ、俺ほどではないが、陰キャよりのミヤと馬が合うとは思えない。
,,ちょうどいい距離感でやれてるといいけど,,
「えーっと、今日から転校生が来ます。」
そうだった、ミヤの話で忘れていたが、こっちも転校生が来るのだ。
「それじゃ、入って。」
ドアを開けた男子生徒は、戻ってきたドアに挟まれた。
「くろがみ君!大丈夫!?」
「大丈夫っす、慣れてるんで。」
今のに慣れているとは、不幸体質なのか? ん? くろがみ?
「黒神ユウマです。」
,,黒神,,隊長と同じ苗字だ、きっと関係ないと納得しようとしていたが、もう無理だ。
あと、気温が下った気がする、気のせいだろうか?
転校生の彼は顔色が悪いが、七三分けにしたら黒神隊長に似ている気がする、目元が特に。
,,ん?なんかモヤモヤしてないか?,,
彼の後ろから、黒いモヤが出ている気がする、俺の目がおかしいのだろうか?
「じゃあ、黒曜君の隣に座って。」
「おー、黒黒コンビ。」
気のせいなのか?やっぱり気温が下がっている気がする。
ジジ。
蛍光灯が点滅する、心霊現象?あまり深入りしないようにしよう。
ボキ!ボキ!ボキ!
音に驚き横を見ると、彼の鉛筆が折れていた、全て。
「あのー、俺の分どうぞ?」
「あ、すんません。」
やっぱり黒いの出てないか?
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