帝虎学園物語②
「いいんですか、牛田さん。」
一年の新入りがビクビクしながら聞いてきた。
「しゃーねーだろ、お嬢にあんな泣かれたら、なぁ?」
私立帝虎学園のヤンキーのトップ、番長、西園寺リュウジ。
彼が彼女と過ごす時間を邪魔してはいけないことになっているのだが、リュウジの妹であるひまわりに、「リュウに合わせて!」と泣かれたら、断るのも良くない気がする。
「ひまわりを泣かしたら、わかってんだろうな、テメェら。」と番長から言われているのだ。
番長不在時に判断を下す副長は剣道場で素振りをしているので、呼んでくるわけにもいかない。
「おい、テメェらなにやってんだよ、んなところで。
「番長!お疲れ様です!」
「お疲れ様です!」
「おう。」
「あの、番長。」
「んだよ?」
「なんでお嬢を抱っこされてるんですか?」
「泣かしちまったからな。」
「屋上からここまで、ずっと抱っこしてたんすか?」
「コイツ途中で寝たんだよ、わりぃか?」
「いえ!」
番長に睨まれた、怖い、怖すぎる。
「おーい、起きろー。」
「むにゃ、リュウ、みんなの事、いじめちゃ、ダメ、すぅ。」
「あー、お前ら、もう戻っていいぞ。」
「はい!」
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