アベル襲来
こういうアニメあったよな、なんて言ったけな?
ユイトはそんなことを考えていた。目の前の光景があまりに現実離れしていたからだ。
6人の少女が武装した人々と戦っている、ある者は風を起こし、ある者は氷を生み出し、ある者雷を落とす。
そしてユイトたちが乗っているのは巨大な白猫、美紅梨流華の飼い猫タマである。
しかもこの猫は喋るのだ、猫が喋り、少女がバトルする、完全にアニメである。
しかしこれはアニメではないし、少女たちの相手はscp財団なのだ、異常存在を収容し、人類を守る秘密組織。
ユイトたちは彼らに消すべきと判断された、財団の秘密を守るために犠牲にすべきだと。
とんでもない組織と関わってしまった、しかし後悔はない。
なぜなら幸せだったからだ、あいつと遊んでいるミヤを見ることが、みんなで寝ることが。
「クソ、このままでは全滅だ、Ω7を、パンドラの箱を呼べ!!」
「もしもし、我々はΩ7の出動を要請する!」
背筋が凍った、「機動部隊Ω7パンドラの箱」この部隊を率いるのはscpなのだ、目に入る全ての人間を虐殺する狂人。
scp076アベル。機動部隊が撤退していく、つまりアベルが来る。
それは静かに現れた、しかし凄まじい殺気を放っていた。
黒い髪、褐色の肌、禍々しい刺青。 アベルだ。
「つまらん、ただ獣に乗って逃げるだけのガキを殺せというのか?反吐が出る。」
アベルが言った、奴がタマに追いつけば一瞬で頭を砕かれる。
ドガアン。 日菜野さんが雷を落とした、アベルが距離を取り、一言。
「俺は不快だ、邪魔をするな。」
上空の日菜野さんに向かって跳躍する、首を刈り取る直前、氷のバラがアベルに襲いかかる。碧さんが援護したのだ。
「邪魔だ。」
一撃で砕かれるがその間に距離をとっていたようだ。アベルが地面に着地する。
「面倒だが、ガキを殺るより面白い。」
少女たちも地面にいる、風神さんの魔法が切れたのだ。
「頭はお前だな?」
アベルが美紅さんに距離を詰めるが炎の勢いで上空に翔び、逃れる。
日菜野さんと碧さんが攻撃仕掛け、アベルが距離を取る。
しかし雷は避けられ、氷は砕かれる。
「無駄だ、お前たちが何をしようと俺は止められん。」
しかし、決着は唐突であった。
突如アベルの体を内側から氷の茨が突き破った。
「な…に…」
「お前は勘違いをしておったのだ。」
タマが言った。
瑞稀の力は氷を汲み出すことではない、氷を操ることだ。お前が砕いた氷のかけらを体内を操りお前の体を破壊した。」
アベルの体内から蔦のような氷が伸び首を絞める、アベルは絶命した。
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