襲撃

2024/07/26 18:38

『ミヤくん、ユイトくん。これからのことを説明するよ。まずこの土地は財団が購入し、君たちの戸籍情報は抹消される、その後近隣住民に記憶処理を施し君たちは存在しないことになる。悪いが規則だ。」

「はい、覚悟はできています。」

ユイトが答える。

「よろしい、ではみんなでこれを飲むよ。」ブライトが錠剤を皆に配る、反ミーム薬である。

「これで我々の姿を誰も認識できない、これから我々を迎えに来る輸送機も同じようになっている。」

「そして、君たちにはこれをあげよう。」

ブライトがミヤとユイトに銃を渡す。

「今回は289を護送するからね、襲撃対策だ。」

ザ。

突然靴の音がし、スーツを着た男たちがこちらに銃を向けている。

パァン、パァン。

ブライトが躊躇いなく胸部を撃つ、男たちは膝から崩れ落ち、溶けて消えた。

「やれやれ、早速だよ。しかし現実改変者とは厄介な。」

「ユイトくん、289をおんぶしなさい、走って移動するよ。」

「はい!」

ブライトに続き、ユイトとミヤが走り出す。

「あの鳥が見えるかい、あれが敵の目だ!」

「もしもし、私だ。襲撃を受けた、すぐに機動部隊を派遣し我々を回収してくれ。敵は289を狙っている。」

「ヒューム値が低下している、くるぞ、構えろ!」

空間が歪み異形の者が現れる。 

「鬼だね、異次元からのお客さんだ。」

「ガアア!」

「撃て、ためらうな!」

パァン!

ミヤとユイトが鬼の心臓を撃ち抜く。

空間の歪みが広がり中から黒い影が這い出てくる。

「団体客だね、さあ諸君、おもてなしの時間だ!」

続く

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