夜明け、線香花火 #1
これは私のボカロ曲を小説にしたってだけです。ご理解の程よろしくお願いします。
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「ねえ、遊ぼうよ!夏樹ちゃん!」
「翔くん!いいよー」
そんな風に仲が良かったのは小さい頃だけ、今では…
「ちょっと翔!なに小さい子泣かせてるの?」
「は!?ちげえよ、夏樹は小さい頃からずっとそうだよな!思い込みが激しくてさあ!」
「…ごめん」
そういうと夏樹は何処かへ行ってしまった。強く言い過ぎた。で、でも事実だから…
「おねーちゃん、大丈夫なの?」
男の子が言った。
「ああ、大丈夫だよ。俺さ、ちょっと言い過ぎちゃうんだ。」
「そうなんだ。」
「じゃあ、もう1人で帰れる?」
「うん!」
男の子はそのまま走り去っていった。
「じゃあ…俺も帰って夏樹に謝ろう…」
高校生になってから、夏樹が学校に来ることはほぼ無かった。クラスの奴らは夏樹の顔も知らないくて、でも俺の家には来る。その理由を聞きたいけど、なんだか嫌な予感がして聞けなかった。
たまに夏樹のお母さんに会って、さりげなく聞いてみたけれど「う、うーん…」と言った曖昧な返事しかしてくれなかった。
この頃僕は知らなかった、夏樹が抱えた苦しみを。過去、何があったのかを。
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