この恋が叶うとは思わなかった #2 出会い
「まだ初日なのにもう溶けこんでるじゃない。」
琴葉は話し相手の頼翔の代わりに知弘を代用するつもりらしい。
だがタイミングが悪かった。
琴葉が話しかけてきた時、知弘はちょうど口の中にご飯を入れた所だった。
そうなるとどういう事になるかと言うと、
「もーみゅーみみょみゃんみゃみゃい?」
案の定、こういう言葉が出てくる。
「どうしたの、飲み込んだら?」
「急に話しかけるからだろ。」
知弘は、飯をしっかりと喉の奥に飲みこんでから、言い直した。
「ま、そーゆー周りに溶け込める人なんだろ。」
「女子に囲まれてるし、男子が行くはずないしね。」
雫は意外に周りの女子から人気であった。
ただし、琴葉を除いて。
おそらく男子の中に1人は雫を狙っている人がいるだろう、だが知弘は中学生の頃のある出来事の影響で恋愛に興味を抱かなかった。
そんなことを考えていると、気づけば弁当を完食しきっていた。
どうせなら下で何か買って来ようかな、と知弘は思った。
「わりぃ、ちょっと下でジュースでも買ってくるわ。」
「いってら、あとコーラ買って来て。」
「はいよ。」
頼翔にちゃっかりリクエストされながら知弘は教室を出た。
下に下りると、カップルなどがみんなで辺りに座って昼食を楽しんでいた。
自販機の所に行きすぐジュースを買おうとしたが、先客が居た。
荒牧 雫である。
何やら自販機の前で屈んで自販機の下を覗いている。
知弘も一度経験した事があるのだが、あそこは傾斜が自販機の方に向いていて、硬貨を落としてしまうと高確率で自販機の下に入るのだ。
おそらくそうだろう。
普通の男子はここで助けて関係を築こうとしたり、ただ単に親切心で助けるかどちらかだろう、もちろん知弘は後者である。
が、そんな考えは知弘には浮かばなかった。
どうせなら、あれ大変だよな、と共感していたくらいだ。
無言で佇んでいた知弘に気づいたのか、雫はこちらを向いた。
「あ、すいません…」
「いいよ別に、気にしなくて」
「ふふ…」
知弘がそう答えると、何故か雫は笑い出した。
「すいません、ちょっと珍しいな、と思って。」
何の事か知弘にはちっともわからない。
「普通、男子は関係を築こうとして助けようととしてくるのが多いんですよ。前の学校はそうでした。」
雫は丁寧な敬語でそう言った。
「俺、恋愛に興味が無くて。」
本当である。
「私もです、一緒ですね。」
「ちょうど一緒だな。」
少し話が盛り上がった所で、本題である。
「そこは硬貨が落ちるとよく下に入るから気をつけたほうがいいよ。」
「そうですね、たった今入った所です。」
「やっぱりか、あそこで屈んでる人はお金が落ちたかお金を探してる人だけだし。」
そんな会話をした後、しっかりとリクエストの品を買ってきた知弘だが、おしゃべりをしたせいで『遅いぞ』と怒られてしまった。
雫が好意を持つ前に知弘が好意を持っちゃって、でも雫は恋愛に興味がないからってすれ違って、
知弘が雫に好かれるように頑張ろう!
ってやつだったんだけどなんかバグったw
他に書きたいのが出来ちゃってねw
ぷよぷよがふと頭に浮かんで、↓こんなやついたなって思って、ツンデレだったらいいなと思って書いた。
だから優梨奈紫の髪なんです。
やべ画像どっか行った