ELGAMA #12話 ルガンデ編 #4
二人が向かったのは、ルガンデの南東に位置する神殿だ。
ここの最奥にゲートがある。
外見から、凶々しいオーラを纏っている。
「いよいよ、対戦だ…」
エリントからも、真剣な感情が見て取れた。
________楽勝だ。
「えっ?」
レイスは驚きのあまり声を漏らしてしまった。
「どうした?」
「いや、なにも…」
今のはなんだったのだろう。
確かに聞こえた。
レイスの心の声ではない、もちろん、誰かが言ったのでもない。
低い声だ。
まさに、エリントのように…
今のはエリントの心の声だったのだろうか。
ではなぜ、「楽勝だ。」なのだろうか________
結局正体は分からず、決戦を迎えることになった。
ゲートのある神殿の最奥だ。
この扉の奥にアンドロヨイムがいる。
勝てるのだろうか、ドラゴンならば、強いはずだ。
「アンドロヨイムは、このふわふわしてる変な石に封印されている。近づくくらいなら反応しないが、邪悪なオーラを感じとると、封印は解かれる。」
エリントが説明した。
________殺してやる。
世界が白く光った。
なにも見えなくなるほどに。
あの声が原因だ。
封印は解かれた、アンドロヨイムが目を覚ました。
目が見えるようになると、神殿のあちこちが崩壊していた。
積み重なる瓦礫の間から見えたのは、澄んだ緑色のドラゴンだった。
「そいつだ、そいつがアンドロヨイムだ!」
ドラゴンはエリントの声に反応して咆哮した。
アンドロヨイムはレイスに向かって黄色く鋭いなにかを飛ばしてきた。
レイスは手に持っていた剣で咄嗟に防ぐ。
だが、相手は格上、何本かは命中した。
「ぐっ!」
刺さった傷からは大量の血が吹き出した。
「レイス!大丈夫か?」
________弱いな。
心の中でそんな声が微かに聞こえる。
________プレク村人は初戦そんなものだ。
これが、エリントの本当の感情…
そんなことを思っていたのか。
いや、関係ない、自分の身は自分で守ればいい。
あいつの言うことなんか気にするな。
レイスは立ち上がった。
「レイス!立ち上がるのか?絶対に死ぬなよ!」
分かってる。死んでたまるか。
死んでは目標が達成できないのだから。
両手を構える。
指先に意識を集中させる。
乱光雑法の構えだ。
使うのは、「闇」だ。
全て、吸い込んでしまえ。
レイスの指先に巨大な闇の塊が発生する。
そして、アンドロヨイムに向かって飛んでいく。
アンドロヨイムは闇に向かって風の弾丸を発射するが、打ち消せなかった。
闇はアンドロヨイムに突撃する。
アンドロヨイムの体から、紫色のオーラが出る。
ドラゴンは、声にならない奇声をあげて、その場にぐにゃりと崩れた。
案外強くはない、ただの雑魚だ。
「レイス!お前、こんな強敵をワンパンしちまうなんて、一体全体なにをしたんだ??」
エリントが驚きの声をあげる。
「俺でも倒せないんだぞ!」
「いや、なんか、全力で乱光雑法を撃ったら倒せたよ。」
レイスは自分でも信じられなかった。
エリントがあれだけ強いと言っていたアンドロヨイムを一撃で倒してしまったのだから。
《なかなかやるではないか、レイスよ。》
アケラルドラゴンだ。
________なんか、ゾーンに入ったみたいになって、意識が飛びかけてたんだ。まるで、誰か他の人が操ってるみたいに。
《この威力なら、真帝王も一瞬だ。》
________ありがとう。じゃあ、ルミアナに行ってくるよ。
二人は、開いたゲートに向かって足を踏み出した。
ルガンデ編 完
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ルガンデ編終わりました。ありがとうございました。
アンドロヨイムを倒し、ルガンデを脱出した二人は、王国、ルミアナへと向かう。
ルミアナには、イリエンセがいるという噂が!?
これ見てね↓
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次回からはルミアナ編です。(^ - ^) b
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