ELGAMA #21 ルミアナ編 #終
開いたゲートの先に広がる光景に一行は目を疑った。
ゲートの中には大きな鎖が張り巡らされており、とても入れそうになかった。
鎖の隙間から奥を見ると、紫色の煙が漂っているのが確認できた。
「なんだよこれ、通れねえじゃん。」
エリントが鎖を激しく揺さぶりながら言った。
ゲートが通れないというこの事態はレイスにとって嬉しく、それと同時に残念でもあった。
「困ったな…」
エリントが溜息をつきながら言った。
「イリエンセさんに聞けばなにか分かったりしないかな…」
ミアが言った。
「そうだな、ひとまず聞いてみるか。なんか知ってるかも。」
エリントはなるほど、とうなずき、来た道を戻り始めた。
レイスたちもエリントの後を追いかけた。
小屋に到着すると、エリントは勢いよく戸を叩いた。
「すいませーん、すいませーん!」
エリントの声を聞き、イリエンセが戸を開けた。
「これまたなんじゃ、やかましい。」
「あの、ピルミに行こうとしてゲートを開けたらなんか鎖が張り巡らされてて…」
「ああ、そうじゃ、あそこは少し前から封印されとる。」
イリエンセの放った言葉に三人は目を見張った。
「えっ、じゃあどうすればいいんですか?」
「封印を解くには『ルガンデ』『アリゴ』『ヘナレスラス』のゲートの番人を倒さなければいけないんじゃ、アリゴとヘナレスラス行きのゲートはあっちにあったはずじゃぞ。」
「ありがとうございます。」
イリエンセの指差した方に向かってみると、ピルミのゲートより一回りほど小さいゲートが二つあった。
「どっちがアリゴ?」
「さあ。」
レイスの質問にエリントはあっさりと首を横に振った。
「でも、適当にこっちに行こうぜ。」
エリントはそう言うとレイスとミアを掴み、ゲートに向かって走り出した。
「え!?ちょっと待って、まだ心の準備が…」
ミアが声をあげるもエリントの力に敵うわけもなく、レイスと一緒にゲートに向かって引っ張られた。
「心の準備?そんなものして、何になるんだ?」
エリントは問答無用にゲートに飛び込んだ。
今まできこえていた周りのおとがきこえなくなり、フオフオというおとがみみを占りょうした。
からだにふれているもののかんかくがなくなり、からだがかるくかんじた。
まるで、くう中に漂うは根になったかのような気分________
だが、きゅうに体がおもくなり、羽ねのようなきぶんからいっ気にきん属のようなきぶんになった。
かたいものにからだを打ちつけ、レイスは目をひらいた。
レイスは地めんに横たわっていた。
ほかの二人もおなじように地にねそべっていた。
「ここはどこだ?」
ほんの小さなこえだったのだが、レイスのこえは辺りにはんきょうし、他のふたりが目を開けた。
「うえっ、はきけがする、ゲートのせいだ。」
エリントが咳をしながらたち上がった。
「レイス、ここはどこ?」
「分からない。見たことがないもん。」
意識がはっきりしてきてから改めて見てみると、辺りは森のようだった。
背の高い木が辺りに生え、先が見えなかった。
「森ってことは、アリゴだな。ここは、9割が、森だ。」
エリントが呼吸を整えながら言った。
「よし、とりあえず森を抜けよう。開けている場所はあるはずだ。」
21話↓
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ルミアナ編とアリゴ編の繋ぎだからそんなに長くならんと思ったんだが、長いかな。
19話よりは短いです。