ELGAMA #29 アリゴ編 #8 ブレデウル

4 2022/01/17 22:30

「ミア、どうだ調子は。」

「うん、すっかり良くなったよ!」

今朝、ミアの体調はすっかりよくなった。

「すっかりよくなったな、よかった。」

フェルグが言った。

「んじゃ、オレらは番人倒してくるよ。」

友達の家に遊びに行くような調子でエリントは言った。

「ちょ、ちょっと待つんだ。」

三人が小屋を出ようとすると、フェルグが呼び止めた。

「なんです?」

「レイスくんは武器がないようだから、これを渡しておくよ。」

そう言ってフェルグは、なんの変哲もない剣を差し出した。

「あ、ありがとうございます。」

「さあ、気をつけて行っておいで。」

そして、三人はフェルグの小屋を後にし、森へと入って行った。

 気が生い茂る森を歩き、進んで行く。

「ミアって、なんであんなに完治まで時間がかかったの?」

無言では退屈なので、レイスはなにか話を持ちかけることにした。

「うーん、なんでだろうね。」

ミアが苦笑いをして言った。

「あれだ、オレがいっぱい光雑法を当てたから人体の中にダメージが入ってたんだ。特に最後の闇とかはな。」

エリントが説明した。

 怪我をさせた張本人なため、当然だ。

「そうなんだ。別に最後以外は頑張って耐えれたんだけど、あれってダメージ入ってたんだね。」

ミアがあっけらかんと言ってのける。

「あんだけ食らってまだ立てるって、アンタほんとバケモンだぜ。」

そんな会話をしながら歩いていると、ついに森が開ける所まで辿り着いた。

「さて、ここか。」

神殿は、まるで神殿の中を守ろうとするかのように蔓を垂らし、完全に自然に溶け込んでいた。

 辺りには緊張感が漂う。

聞こえるのは、風で木の葉が擦れる音のみ________

 エリントは神殿の扉に手を触れて、押し出した。

扉はあまりに不自然すぎるほどに無音で開いた。

中もまた自然に溶け込んでいた。

 レイスは一つ不自然なことに気付いた。

「エリント、なんでここの神殿は一部屋しかないの?奥にゲートもあるし。」

エリントは頭を掻いて答えた。

「あれ、おかしいな、番人がいないぞ。どこ行ったんだ。」

「でも、番人がいなくてもそのまま次に行けるし、いいんじゃない?」

レイスがそう言うと、エリントは呆れた顔でレイスを見つめた。

「おいおい…アリゴの番人を倒さねえとピルミに行けないんだぜ?…行きたくないかもしれんがな。」

「あ、そっか。」

だが少し待っても番人は来なかった。

 

「来ないし、もう行こうよ。」

「そうだな、仕方ないが…」

そして三人が足を踏み出した瞬間だった。

 大きい音が背後から聞こえた。

後ろを振り向くと、神殿の扉が閉まっていた。

神殿には窓がないため、光を遮られてしまった神殿内は真っ暗になった。

「なんてこった、いない訳じゃなかったのか。」

 すると、何故か神殿内がじわじわと明るくなっていった。

明るくなるにつれ、中央に何かがいるのが見えた。

「!! こいつだ、こいつが…」

中央に立っているのは、緑色の筋肉がありガッチリとした体に、ドラゴンのような頭が二つ、そして大きな剣を持っており、おまけに少し浮いている、なにかだった。」

「…ブレデウルだ。」

ブレデウルはその場で大きく咆哮した。

 そして、人間のような声で話し始めた。

「…人間三名、殺そうか、それとも殺そうか、それを決めるのは汝の実力のみ。」

ブレデウルは剣を振るった。

 剣から炎が出て、レイスたちに向かって飛んできた。

レイスが咄嗟によける頃にはもう次の攻撃が来ていた。

黄色い球のような物体が飛んで来ていた。

 レイスたちは回避に必死で攻撃をすることができなかった。

「やばい、強えぞアイツ。」

エリントが言う。

 その間にもブレデウルは攻撃を続けていた。

だが、突然攻撃の手が緩まった。

体力がなくなったのだろう。

 すかさずエリントが光雑法を放つ。

剣から飛び出した炎は、燃え上がりながら直線状に飛び、ブレデウルに向かった。

 だが、炎はブレデウルに当たった瞬間に、その硬い皮膚に弾かれてしまった。

「なっ…」

エリントが口をあんぐりと開けた。

 すると、ミアが、ブレデウルの攻撃の境目で剣を振るった。

剣から風がもの凄い速さで飛び出し、ブレデウルに当たった。

 風はブレデウルの肌に少し傷をつけたところで消え去った。

ブレデウルの攻撃がまた激しくなった。

攻撃を避けるだけの一方的なターンが続く。

 すると、ブレデウルは突如走り出し、エリントの方へ向かった。

「な、なにっ…」

エリントが剣を構える。

 ブレデウルは剣を力いっぱい振った。

エリントの剣が甲高い音を立てた。

ブレデウルは高速で次の攻撃をする。

 エリントも高速で剣を弾き、ダメージを免れる。

すると、ブレデウルは剣を真横に向け、力を溜めた。

そして、思いっきり剣を横に振り、渾身の一撃を放った。

 その衝撃は剣を伝って手にまで伝わった。

剣は横に弾かれそうになるも、エリントはなんとか持ち直した。

 だが、今の攻撃でエリントの体勢は大きく崩れた。

ブレデウルは容赦なく上から剣を振り下ろした。

 エリントは攻撃を剣で弾かず、少しでもダメージを減らそうと横に飛び退いた。

案の定、回避は間に合わず、剣はエリントの背中を斬りつけた。

「っ!…」

エリントが目を見開いた。

 背中からは血が溢れ、エリントはその場に倒れ込んだ。

次話↓

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その他2022/01/17 22:30:31 [通報] [非表示] フォローする
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2: 桃太郎 @j402210952022/01/17 22:34:21 通報 非表示

(・_・D フムフム


4: 桃太郎 @j402210952022/01/31 16:28:08 通報 非表示

>>3
うんw


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