ウクライナ軍 南部での反転攻勢の予想【ウクライナ時事考察#1】
https://www.jiji.com/jc/tokushu?id=ukraine_russian_2022&g=ukr
↑説明の中に出てきた都市で位置を知りたい場合は、こちらの地図をご覧下さい。
今回は、ウクライナ軍が南部で行うとしている反転攻勢における、予想されるシナリオをまとめました。
2つのシナリオを解説します。
【シナリオ① ザポリージャ(ザポロジエ)辺りからアゾフ海へ】
一つ目のシナリオは、ザポリージャ(ザポロジエ)辺りからアゾフ海へ進軍するシナリオです。このシナリオでは、中間地点に、義勇軍※1が展開して奪還してメリトポリを通る為、義勇軍への物資補給や義勇軍によるM14※2の警備ができます。また、現在ケルチ大橋※3の修復が完了していないので、アゾフ海に到達すればクリミア半島やヘルソン州のロシア軍を包囲し、ロシア軍を撤退させられます。しかし、包囲する範囲が大きい為、ロシア軍が電撃戦の様な作戦を仕掛けてきた場合、殲滅が困難になる恐れがあります。
※1 義勇軍…パルチザンと呼ばれる。
※2 M14…南部の都市オレスキーからメリトポリを通り、ウクライナ東部まで伸びている道路。オレスキーではクリミア半島のセヴァストポリとを結ぶM96と交差しており、交通的に重要な道路である。
※3 ケルチ大橋…クリミア半島とロシア本土を結ぶ橋。令和4年10月にウクライナ軍がHIMARSで破壊した為、それまでクリミア半島を経由して行われていた南部戦線への補給が難しくなった。
【シナリオ② ヘルソン市の辺りからドニエプロ川を渡河し、M14、M96を駆使して反撃】
二つ目のシナリオは、ヘルソン市の辺りからドニエプロ川を渡河し、オレスキーからM14、M96を駆使してそれぞれメリトポリ、セヴァストポリまで到達するシナリオです。このシナリオは、英国の報道機関BBCによるとウクライナ軍がオレスキーの北西部に拠点を築いたそうなので、現実味があると思われます。ロシア軍は軍の統制が取れておらずオレスキー北西部を占領されたとの事です。まずは、このままオレスキー市内を全て占領し、ウクライナ軍をM14とM96に進軍する部隊に分けます。そして、出来れば秋までにM14部隊はメリトポリ、M96部隊はセヴァストポリを占領出来ればロシア軍を包囲殲滅することができるでしょう。このシナリオが成功すれば、ロシア軍は秋までにバフムトとメリトポリ以西の占領地を全て失うことになります。
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