アニメ『とらドラ!』はおもしろい?つまらない?


実はそんなに面白くはない…
釘宮理恵と裏表がハッキリしてる亜美が魅力なだけ
ラノベ産のラブコメものと思えばちょいとばかりマシってレベル、
仲良しグループと見せかけて互いに何もわかってない
偽物の友情と偽物の青春で何もかもが薄っぺらい
嫌なことがあればとにかく暴力を振るう精神病だらけ
非常に暗い青春を過ごした岡田麿里の説得力のある脚本
>>10
岡田の脚本はどれも極端すぎて苦手
でも人付き合いしてるとそういう部分を薄々感じてる人は多いと思う
物語では誇張した方が分かりやすいからウケたんだろうなーと思う
全話視聴
原作は知らん
漫画も知らん
端的に、うる星やつら下位互換
多少の評価はあるような印象だったので見たはみたが、正直うーん
話がまともに動くのは本当に最終盤だけ
それまでは延々マンネリ学園もの
とにかく暴力だらけ
容姿が整った若い女なら男にどんな暴力を振るっても許されるという辟易テンプレの連綿でストーリーの陳腐さを補完する演出だが、そもそもその暴力が笑えない
それどころか嫌悪感しかない
会話ごと、シーンごとの小さなオチに、ヒロイン大河中心にメイン女キャラの理不尽暴力でとりあえず落として区切りをつけ、面白いことやってますよ感だけを押し付けてくる、ある意味思考停止演出
高橋留美子がうる星やつらを演出した押井守の、平気で人の顔を踏むような演出に不快感を示した過去があった
あの作品の押井演出には振り切った潔さもあったので個人的には許容範囲かなとは思ったが、とらドラに関しては内面の濃やかさを幼い視点ながらも描く演出が漸次的に強まっていく構成なので、有無を言わさないバイオレンス描写への依存に、無神経さ、無粋さを禁じ得なかった
有体に言えば制作陣の手抜きに他ならなかった
そもそもキャスト中まともに人間として機能しているのが亜美だけなので、起き抜けの頭の中のような不明瞭な世界観が展開されるだけ
冒頭からの大河の狼藉を許容する竜児のありようは、かのかりの気色悪さと通底
北村は行動原理に一貫性らしきものもなく言動も意味不明なこと多数
一番の問題児はむしろ櫛枝
常に天然自演で完全な自己防衛常備稼働状態
現実社会であれをされたらむしろ信用されてないんだなと、された側は傷付く者もいる
最終盤、竜児への思いを自覚し始めたものの、竜児と櫛枝の恋愛成就のために竜児に好きと言えない大河に、「欲しいものを欲しいと言えない弱さを他人のせいにするようなやつじゃないよね!?」と大河に告白を促してはいたが、自分も竜児へ仄かながらも思いがあるのに、大河に自主進取の姿勢を持ってもらいたいが為の、結果的には自分が身を引く決断
それで「自分の幸せは自分で掴む、他の誰にも決めさせねえ!」とかなんとか叫ばせていたが、ブーメラン
やってることは大河と同じ
あれだけ大河を追い詰め、詰問、強要する資格も何もない
結局は自分は仮面を被り続けてる格好になる
それこそ修学旅行のスキー中に亜美と大立回りを演じた時に亜美から言われた上から目線の姿勢そのもの
自らの身を引くありように自惚れる幼い自己満足
この辺りがこの作品の佳境だろうし、であるならばこの話は友達ごっこ、親友ごっこをする大河と櫛枝の自立の話でもあるはずなのだが…
この教室での一件が曖昧な共依存への否定的自覚のポイントであったはず
なのにその後、また櫛枝はあの天然自演で本心を煙に巻く武装で殻にこもるキャラに逆戻りしてしまう
何のための告白強要、自主自立宣言だったの?
夜間の吹雪くスキー場で大河を救出したのは北村だったと、そう北村と口裏を合わせる竜児に、憎悪の面相で「嘘つき!」と詰め寄ったが、そもそも櫛枝は、大河は本当は竜児が好きなんだと誰にも言っていない
竜児にも、大河が好きなら受け止めて欲しい、とも頼んでいない
なんとなく仄めかして自分はおちゃらけキャラで騒いでいただけ
微妙な、それぞれの寄せる思いのベクトルの変化の渦中で、あの中で誰が誰を責める資格があるのか
そんなものあるはずもない
とにかくもっともらしく劇伴を使った嘘くさい演出
あるいは文学性の欠落した手抜き仕事
多少録画し損ねた所があったので自分の見落としがあるのかもしれんが、櫛枝は最後まで、曖昧で利いた風な事を言って忽然と闇堕ちして、もっともらしいようで適当なキャラ設定だった
そんな人物がこの物語のある意味地軸となっている時点で、クオリティの趨勢は端から決まっていたかなぁとも思える
今から15年も前のラノベ作品にめくじら立ててる自分も大馬鹿だが、社交辞令とはいえ新海誠が作品ファンだと公言してた割にはショボいプロットだった
最後の、駆け落ちだの結婚だの家族だの、そこらは綺麗にまとめ過ぎか
嘘くさい永遠の演出がいかにも商業的だった
ただ、特別編の弁当の話、北村の婆ちゃんと弁当の内容で勝手に勝負する竜児の話だけは面白かった
この作品でちゃんと笑えたのはこの話だけ
特にゆりちゃん先生に炊飯器のコンセントを抜かれる辺りのキャラ画や演出は楽しませてもらった
本編じゃ不愉快なだけのインコもこの回のフィリッポインザーギだけはちゃんと機能していた
個人的に、ラノベに期待するものは無く、この作品本編もテンプレ演出で既視感疲れしかなかったが、この特別編のような絞ったテーマで穿つ内容の方が、この原作者は活きるかな、と
寝惚けた世界観の空気がこの話だけはクリアに澄んでいたし
今は一般文芸がメインのようなので今更こんな感じでやる気も無いだろうが
冒頭、うる星やつらの下位互換と書いたが、それと、ハルヒの児戯的衒学性をうっすら匂わせた作風かと
どのみち二番煎じのハイブリッドである事は否定し得ない
演出で気になったのは、とにかく当時のテレビネタが多いこと
アニメネタならまだ自主的視聴者に理解者もいるだろうが、バラエティネタとなると知らん人も多くなるかと
しかも時代を経るごとに作品の普遍性を損なう主因となる
そこまでの価値をこの原作に置いていなかったが故の、制作陣のこの雑な仕事ぶりだったのだろうけど
あと、最終回、やっちゃんの実家から帰る電車のシーン
元住吉から武蔵小杉に向かう東急東横線かな?
知ってる人いたらおせーて