(総選挙)バレンタイン小説（もらえない男子視点）

バレンタインデーそれは僕にとって世界一無縁な日だ。ただの一日なんだから変に意識することはない。でももしかしたら・・・中学生になったから・・・もらえるかもしれないという期待と貰えるわけないという感情でひしめき合いながら学校に向かう。まずは靴箱だ。モテるやつは靴箱にたいていチョコが置いているって本で読んだ。ーない。当たり前だと思うのと同時に期待した自分が恥ずかしく思えた。教室へ行く。すると変にソワソワした友達が、小箱を抱えながら「お先に！」といって走っていった。なんだ、あいつはもらえたのか、と思い妬んでしまう。この日はおかしい。男子は男子で、女子は女子で固まって、みんな変にソワソワしている。「今日はなんの日？」と聞かれてわざと「なんの日だっけ？」とぼけるやつもいる。どうせもらえないのに期待するのはやめたほうがいいのは何年も前から知っている。仲のいい女子なんかいないのにこの日だけ話しかけてくる女子はいない。時間というものは恐ろしく早い。あっという間に放課後になった。帰宅部の僕は先輩から貰えるという期待も０に乏しい。最後のチャンスは帰りの靴箱だ。なんとなく靴箱を見る。ない。ない。ない。帰り道に「お前チョコもらえた？」とか「今年も０だったｗｗｗ」という会話が聞こえる。僕は今年も貰えないという現実がじわりじわりと迫ってきて、虚脱感に襲われる。ああ、こんな年をなんど過ごしたら僕は報われるんだろう？また特別なことがないまま、一日が過ぎていく。