岸田文雄「どうすりゃいいんだ・・・」
首都、自民党本部で迎えた会議
林芳正が大量裏金、他議員も真面目さを見せず裏金を貰っていた
議事堂前に響く国民のため息、どこからか聞こえる「今年は増税だな」の声
無言で帰り始める議員達の中、現在の総理大臣岸田は独り総裁室で泣いていた
G7で手にした団結、喜び、感動、そして何より信頼できる各国首脳・・・
それを今の日本で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」岸田は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、岸田ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい総裁席の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って検討をしなくちゃな」岸田は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、岸田はふと気付いた
「あれ・・・?支持者がいる・・・?」
自民党本部から飛び出した岸田が目にしたのは、永田町まで埋めつくさんばかりの国民だった
千切れそうなほどに日章旗が振られ、地鳴りのように君が代が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする岸田の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「岸田くん、閣議だ、早く行くぞ」声の方に振り返った岸田は目を疑った
「こ・・・小泉さん?」 「なんだ文雄、居眠りでもしてたのか?」
「あ・・・安倍元総理?」 「なんだ岸田、かってに安倍さんを引退させやがって」
「菅義偉さん・・・」 岸田は半分パニックになりながらWikipediaを見た
総理大臣:田中角栄 官房長官:安倍晋三 副官房長官:菅義偉 外務大臣:小渕恵三 防衛大臣:岸田文雄 厚生大臣:小泉純一郎 自民党広報委員長:浜田幸一
暫時、唖然としていた岸田だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「変えれる・・・この国を変えれるんだ!」
麻生から議員バッジを受け取り、国会議事堂へ全力疾走する岸田、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、総裁室で冷たくなっている岸田が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
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