らぶコメdays#2【バトル小説】
主 ヒカリ
先輩 麦原
☆☆☆☆☆☆☆
帰宅途中に道の真ん中に異型のものが『出来た』
「…楽しませてくれそうじゃん？」
とは言ったものの心の中ではかなり焦っていた
この異型の怪物が出来るときに、今朝も見た黒い物体が数十体集まっていた
黒い物体の集合体。集まった数に強さ、凶暴さが比例、
あるいはそれ以上になるとしたら…
『…ォお…』
この黒い者は今までの黒い物体とは格が違う
少なくとも７０体は集まって出来ているだろう
気を抜けば頭に金色の輪っかが浮かぶ羽目になると気を引き締める
幸い服は着替えていないので道着だ
少し面倒くさがりなおかげで最高の状態で戦えると自分の性格に感謝する
黒い怪物もこちらを獲物と認識したらしい
お互いにそのまま見合って…
『う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”‼‼‼‼‼‼‼‼‼』
「！！！！」
怪物が叫ぶと同時に一気に距離を詰めて殴りかかる
「たっ！うわぁ！ああぅ！」
続けて蹴りを決めパンチを躱し、怪物の足に思いっきり手刀を振り下ろす
『ごあ”あ”あ”‼‼』
気が立った怪物が後ろに向けて蹴り。ヒカリは体を転換しその勢いのまま裏拳を…
『だぁ”ぁ”ァ”ァ”ァ”‼‼』
決める前に怪物に動かれ、逆に裏拳を貰い林の方へ飛ばされる
ヒカリは受け身を取って木を蹴り、その反動で弾丸の如く怪物の懐へ拳を叩き込む
『ん”ん”ん”ン”%)0&*!!!!!!』
「っうらぁ！！」
かなり良い一撃が入った。だが相手もそれで倒れる程やわでは無いらしい
拳を受けてしばらく動きを止めたがすぐに反撃を再開する
バチバチバチ
ドコボカポカパコ
しばらくの間お互いにやりあっていたが、ヒカリはあることに気付く
「…力の使い方を学習してる…？」
怪物は戦いの中で学習し、どんどん強くなっていたのだ
ヒカリも戦いの才能はずば抜けていて、同じく戦いの中で強くはなっているが、
生まれたばかりの怪物の方が伸びしろが大きい
最初はヒカリの方が強く、成長もしていたが、
怪物はそれを上回り、いつしか戦いは怪物が有利になりつつあった
「っっ！」
怪物の猛攻を受け傷も増え始めたところでヒカリの体制が崩れる
それを見逃さず怪物は強烈なパンチを放つ
「バコン！」
ヒカリはなんとか動き右腕でそれを受け止めたが、後ろへ強く吹っ飛ばされる
「ゴッ」
それと同時に嫌な音がした。倒れながらヒカリは右腕を見る
「あ…まず」
案の定右腕は折れていた。痛みが遅れてやってきて眉を寄せる
腕が健在でも互角かそれ以下の状況。だというのに腕が折れたら負は確定
ここからどうするか
死んだふりからの奇襲…
崖から落とす…
急所と思われる場所へ集中攻撃…
どれも勝率が低く現実性も無い
『…』
怪物は勝ちを悟ったのかゆっくり近づいてくる
助けを呼ぶ…ここの近くに民家はない
逃げる…論外
媚びる……は？
「そうだ…」
ここで一つ思い出す。今まで使ってこなかった
使う場面のなかった、アレを
「今でも出来るのかな…？」
遠い昔に使って以来全く使わなかった力
今出来るかはわからない
だが今は息も苦しく腕も負傷していて勝率は絶望的。これ以外の勝ち筋が無い
ヒカリは最後の希望に賭けることにした
☆☆☆☆☆☆☆
次は本命のバトルだぜ
感想おねげーします
