東方催眠狂②

私・・・・フランドール・スカーレットは、マリサの顔を凝視する。

フラン「で？理由はそれだけ？それだけなら、さっさと帰って頂戴。この壊したドア、お姉さまに気づかれたら怒られるの私なんだけど」

魔理沙「今、レミリアもその従者も外でなんかしてるだろ？それに夢中になってるし、直ぐに気づかれるとは思えないぜ」

・・・こういう時だけ、もっともらしい事を言って・・・・・

確かに、今お姉さま・・・っていうか私以外の紅魔館の住人達は・・・今、庭でパーティしているようだ。

咲夜が言ってた。

でも私はのけもの。

破壊の能力をなんらかの形で覚醒させてしまったら、大変なことになるから。らしい。

別に私も私の意思に関係なく何でも壊しちゃうとかは嫌だし、この幽閉生活にある程度満足している、つもり。

だけどね。

最近何をしてもつまらない。

幽閉されてから３００年くらいまでは、やりたい遊びもいろいろあった。

お人形遊び、おままごと、弾幕の試し打ち、あとたまには美鈴が外の世界の遊びもいろいろと教えてくれた。

でも４００歳くらいになってくると、やりたい遊びが尽きてきた。

考えてみれば当然だ。

遊びの種類は、かぎられているもの。

あと、私だっていつまでも赤ちゃんじゃない。

自然と、なんで私は閉じ込められなきゃいけないんだろうって、思えてきた。

破壊の能力を何らかの形で覚醒させないように、私はここにいる。

「何らかの形」って例えばどんな？「覚醒」する事って、ほんとにある?

年齢（とし）を重ねるごとに、増えゆく疑問。

答えは見つからなくて・・・・この生活に不満を持つようになってきた・・・・・・

フラン「それは分かった。でもまだ貴女が帰らない理由を聞いてないんだけど？」

魔理沙「突然だけど・・・えっと誰だっけ」

フラン「フランよ」

魔理沙「突然だけどフラン、現実から逃げたくなった事ってないか？」

フラン「え・・・そりゃまあ、あるけど。ていうか、今がそうね。パーティ、私だけ不参加だもの。私だってお外に出たいのに」

魔理沙「そうか、じゃあオススメの逃避行があるぜ！」

フラン「？」

‐‐‐東方催眠狂③へ続く‐‐‐