桜の小花 1話「チラシ」

2 2024/10/31 20:17

「お前、馬鹿じゃないの?」

高森小花に大して彼はそう言った。

「……」

「何で反論しないんだよ」

「……」

頬がカッと熱くなって、唇が開かない。

「そんなんだから虐められんだよ」

彼はそう言うと、走ってどこかに行った。

ああ、辛い。

虐められ出してから、クラスでも孤立。

男子とも比較的仲良かった私だが(いじめの原因)

その男子とも今や上手く話せない。

でもあと少しで卒業なんだ!

地獄の中学生活はついに幕を閉じるー

「うちあんたと同じ高校第1志望だから」

いじめの主犯の所さんは、そう言った。

「……え」

「小花ちゃんっこれで高校もずぅーっといっしょだねっ♪」

わざとらしく笑う彼女と対称に、

私は顔の血が引けた。

高校でも、虐められるの?

私は、逃げられるの?

そんな日の事だった。

何をされても我慢してた私だけど、

その日はお気に入りのキーホルダーが

壊され、泣きながら帰宅していた。

途中の繁華街にさしどおる。

人にぶつかる。

「……いで」

涙混じりの声に震える。

ああ、なぜ私がこんな目に

ぱらり。

紙が顔に当たる。

「……え」

『梨之高等学校』

梨が書かれた絵を見つける。

「……ここなら、離れてるし、

誰もいないかも……」

チラシの裏には「酒井凌」

そう、書かれていた。

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