桜の小花 1話「チラシ」
「お前、馬鹿じゃないの?」
高森小花に大して彼はそう言った。
「……」
「何で反論しないんだよ」
「……」
頬がカッと熱くなって、唇が開かない。
「そんなんだから虐められんだよ」
彼はそう言うと、走ってどこかに行った。
ああ、辛い。
虐められ出してから、クラスでも孤立。
男子とも比較的仲良かった私だが(いじめの原因)
その男子とも今や上手く話せない。
でもあと少しで卒業なんだ!
地獄の中学生活はついに幕を閉じるー
「うちあんたと同じ高校第1志望だから」
いじめの主犯の所さんは、そう言った。
「……え」
「小花ちゃんっこれで高校もずぅーっといっしょだねっ♪」
わざとらしく笑う彼女と対称に、
私は顔の血が引けた。
高校でも、虐められるの?
私は、逃げられるの?
そんな日の事だった。
何をされても我慢してた私だけど、
その日はお気に入りのキーホルダーが
壊され、泣きながら帰宅していた。
途中の繁華街にさしどおる。
人にぶつかる。
「……いで」
涙混じりの声に震える。
ああ、なぜ私がこんな目に
ぱらり。
紙が顔に当たる。
「……え」
『梨之高等学校』
梨が書かれた絵を見つける。
「……ここなら、離れてるし、
誰もいないかも……」
チラシの裏には「酒井凌」
そう、書かれていた。
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