【小説】しょっぱいチョコレート
「落としましたよ。」
きっかけは些細なことだった。でも、その笑顔があまりにもカッコよくて、優しかったから、あっけなく私の初恋は奪われた。
彼は、同じクラスの佐々木くん。
私の大好きな人。
ドキドキして、毎日会うのが楽しみで、もっと一緒にいたい人。
でも、この想いは報われない。
……………彼女がいるから。
でも、諦められない。目で追ってしまう。一つの仕草、たったそれだけでもっと好きになってしまう。あぁ、好き。恋は盲目ってゆうけれど本当なのかも。
忘れなきゃ。ふっきらなきゃ。心でいくら唱えても離れてくれないわがままな恋心。
だから私は行動に移すことにした。
今日は、2月14日。そう、バレンタインデーだ。あいにくの曇り空。いや、私にはちょうどいいのかもしれないなぁ。
「好きです。受け取ってください。」
「…ごめん。僕には彼女がいるんだ。」
「そうなんですね。ごめんなさい。さようなら。」
…フってもらえた。やっと、わがままな恋心に決別できた。
彼がいなくなってからその場にしゃがみ込む。
「チョコ、どうしようかな。」
孤独感を紛らわすように小さく呟いた。
…チョコの箱を開ける。
「頑張って、作ったのになぁ」
ははは、と自嘲的に笑う。
…あれ、チョコってこんなにしょっぱかったかなぁ…。
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ありがとうこんな小説にそんな褒めてくれて
そんなこといったら私はしーかの小説読むたびに宇宙までいってるんですけど?