【和風総選挙】神のいたずら
私は相原葵(あいはらあおい)。昨日卒業したばかりの高校3年生。そろそろ‘‘あの子たち’’が来る頃だ。
「おーい!!」
…声が聞こえる。あの子の声だ。
私「ルナちゃーん!こっちだよー!」
ルナちゃん「…あ,会長!いたいた!!」
この子は星野ルナちゃん。私と同じ星学園(すたーがくえん)に通っている子だ。そしてルナちゃんは‘‘生徒会のメンバー’’でもある。
今日は私の卒業祝いとして,後輩のルナちゃんたちがお花見パーティーを開催してくれるとのことだ。そろそろ後輩たちとも会えなくなるのかぁ…。そう思うと少し切なくなってくる。
ルナちゃん「会長!今日は僕らがなんでも奢りますからね!」
私「あ,ありがとう!」
俺くん「遠慮しないでいいですからね〜。」
月ちゃん「そういえばここのお花見会場,近くに神社があるらしいですよ!」
玲尾くん「ほんとですか!あとで行きましょうよ!」
青結くん「初詣か?遅くね?」
玲尾くん「違いますよお!!」
この子達も同じ生徒会のメンバーだ。みんなルナちゃんと同じクラスらしい。こんなにわちゃわちゃしてるとルナちゃんも大変だろうなぁ…。
私「もしかしたら神様とか会えるかもね!」
俺くん「まあ会えたらいいですけどね?相当運気ないと…。」
ルナちゃん「もーみんなわかってないなぁ!本物の神様は僕だよお!!!」
月ちゃん「それだけはない」
ルナちゃん「なんでよお!」
私「じゃあ行こっか!」
玲尾くん「は,はい!」
〜数十分後〜
私「みんなおみくじ何出た〜?」
ルナちゃん「えーっと…。あ,大吉だ!」
青結くん「俺も大吉」
俺くん「俺も!」
月ちゃん「私もなんだけど!?」
玲尾くん「僕もですっ…!!」
私「嘘……そんなことある!?」
私大凶だったのに…。
俺くん「てかこれ大吉出すぎだろ」
月ちゃん「大吉しか出ないやつなんじゃないの?」
玲尾くん「詐欺ってやつですか?」
青結くん「言うな言うな」
私「あのぉ……私大凶………。」
ルナちゃん「あ」
一同「・・・」
私「と,とりあえずお花見会場行こっか!」
〜お花見会場にて〜
ルナちゃん「んーうまあ!!」
月ちゃん「ちょっとアンタそれで何本目よ!?」
青結くん「俺らの分も残しとけよ…。」
俺くん「そうだぞ?今日は会長が主役なんだから。」
私「ルナちゃんって…そんなにお団子好きだったんだね…笑」
俺くん「いや,これはただただ食欲がハンパないだけですよ。どんな食べ物でも大体この顔しますから。」
私「そ,そうなんだ…。」
俺くんはルナちゃんのことを隅から隅まで知っている。幼馴染ってすごいなぁ……。
???「ふふっ」シュッ
私「…!?」
あれ…。今誰かいた気が……。
俺くん「会長?」
私「…ごめん,ちょっと見てくる。」
タッタッタッタッ……。
月ちゃん「え,ちょ,会長!?」
青結くん「とりあえず追うぞ!!」
ルナちゃん「モグモグ…ふぁい!!」
月ちゃん「まずアンタは食べるのをやめなさい」
〜葵side〜
さっき見えたのって…男の子だよね?結構小さかったし…。危ない目に遭ってるかもしれない!!
ピーッピーッピーーーーーー
???「!!」ピタッ
私「っ!?」
キキーーーーーーーーーーーッ
私「いててっ…。って,車!?」
私の前には,急ブレーキをして木に突っ込んでいた車があった。ていうか私,こんな山奥まで来てたんだ…。
???「…ふふっ」シュッ
私「!?」
また消えた!?追わなきゃ!!
タッタッタッタッ……。
???「………」
私「いた!おーい!!きみー!!」
???「…!」
私「ね,ねえ…。君……。」
「会長ー!!」
ルナちゃん「あ,いた!!」
月ちゃん「会長ー!!!」
俺くん「もう…。途中でどこ行くんですか?」
玲尾くん「心配しましたよぉ……。」
私「あ,えっと…。」
……あれ?男の子がいない…。それに私…さっきまで山奥にいたはずなのに,神社の前にいる…。さっきのって幻覚だったのかな……。
「またあそぼーね,おねえさん!」
私「えっ……。」
私が男の子の声を聞いたのは,その時が最初で最後だった。
そして私は,いつのまにか手に大吉のおみくじを握っていた。
このトピックは、名前 @IDを設定してる人のみコメントできます → 設定する(かんたんです)