神子
新興宗教万世極楽教、私はそこで生まれた。
父と母はよく覚えていない、家族は信者の皆だ。
皆何かしら酷い目に遭ってきている、親親戚に、周囲に疎まれ除け者にされ、教祖様の下で安全を得ている。
ここのみんなは病弱な私を受け入れてくれた、教祖様は世話を焼いてくださった。
「命はみな平等に尊く、神はお救いくださる。」
その中で時々、神に選ばれる人がいる。
「君は選ばれた、神子となり神のお側にお仕えするんだ。」
「神子ですか?私が、ゲホゲホ!」
教祖様は穏やかに続ける。
「君は苦痛から、怪我や病気から解放されて神の子供になる。」
病気から、解放される!
胸が高鳴る、もう苦しくない。
「さぁ、僕の血を飲んで、そうすれば全てうまくいく。」
興奮のまま、教祖様の腕を舐め取る。
「うっ!?」
あついあついあつい、いたいいたいいたいいたい。
「ぐるじぃ!」
「大丈夫、神の元へ行こう。」
琵琶の音がして、誰かの声がした。
「お前は私の物だ、永遠にな。」
「はい、神様…」
教祖様がにこやかに口を開いた。
「無惨様、良い娘を連れて参りました。」
「うむ、なかなか出来がいい、どれ、もう少し分けてやるか。」
「ぁぁ!」
何かが刺さった。
「柱を殺してこい、そうすればもっと褒美をやろう。」
「あはは、やったぁ!」
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