夢日記 20250609
僕は、女の子と歩いていた。
ちゃんと顔を見ているのに、顔も名前も今は分からない。
顔が見れている様で見れていなかったのかもしれない。それか、顔なんてなかったかもしれない。
ただ、どこか知っている様な気がして、警戒する事も無く普通に話していたし、名前を聞くようなこともなかった。
そんな、女の子。
路地裏を歩きながら、その女の子と話したような気がするが、何を話したのかは覚えていない。
いつの間にか、目的地であろう場所に着いた。
そこは、かつて通っていたそろばん教室のようだった。
大正時代にはすでに建てられていたんじゃないかって位、古臭くて、風が吹いただけで飛ばされてしまうのではないかと言う位脆く見える建物。
「君って、どんな人?」
「話を途切れさせないように、頑張るよ。」
そんな、支離滅裂な会話をしながら、玄関の戸を開けたのを覚えている。
中は、改装する前の自分の部屋と、近所のそば屋と、いつか通った居酒屋が入り混じったような、そんな奇妙な空間だった。
時間帯は、黄昏時を少し回ったようで、その部屋はとても薄青く、電気もついていなかった。
靴を脱ぎ、畳に寝っ転がりながらその女の子が、
「やっぱり君、喘息だよ。泡を吹きながら咳をし続けるって、それは喘息だよ。」
と、不思議な事を言った。その言葉に対して僕は、何も答えなかった。
意識が飛んでいたのか、それとも急にその世界に変わったのか、分からない。
ただとにかく、急にその世界に放り込まれた。
周りを見る限りは海だけど、ただの小さい島ではない様で、海岸と呼ばれるものはなく、海からぼこっと出ている丘があった。
その世界は、とある架空の小説の世界の様で、どこかから、ゆっくりボイスで物語の解説の声が聞こえた。
が、その声が聞こえていたのが最初だけだったのか、その解説の詳しい内容は分からない。
ただ、一番最初に
「伏線回収がとても多い物語で、この女の子にも伏線が張ってある」
という説明を受けたことを覚えている
(ただ、夢の中だから当然ともいえるが、この物語に伏線と言うものは存在せず、ただ不気味に話が進んで行くだけだった)
その丘には、小さい女の子が一人、花を摘んでいた。
「この女の子」というのは、この子を指すのだろう。と一目でわかった。
そこから急に話は飛び、恐らく犯人であろう人物たちと警察が口論している場面に切り替わった。
その犯人であろう人物たちは、頭がハート型になっている宇宙服の様なものを着ていて、「ざます」と語尾に付けていたのを覚えている。
そこから、更に話は飛び、オレンジのランプが点いた独房の様な所にいた。
「なんで君が、ここにいるの?」
唐突にその声が聞こえて来たので、声の咆哮に振り向いた。
そこには、初めましての女の子が居た。
だが、その女の子は僕の事を知っている様で、とてもフランクに話しかけてきた。
その女の子は、後ろ手に拘束されていて、もう長い事この空間に閉じ込められている様だった。
「・・・君は、誰?」
またも少女が話しかけてきたが、僕はその質問の回答に何故か言葉が詰まった。
その時、自分の事を思い出そうとしても、全く思い出せなかった。
「分からない。」
その一言を発した事を覚えている。
その後も少し会話をしたが、その内容は覚えていない。
僕の体は、唐突に動き出した。
その行動は、どうしてだろうか、自分でも制御出来なかった。
僕は、近くにあった何か分からない金具で、その女の子を捕らえている縄を力を込めて切った。
当然錆びてて上手く切れなかったが、数秒かけてなんとか切り終えた。
女の子は僕が味方だと思っていなかった様で、自分の事を開放してくれたことに大いに驚いていた。
そして、何故か開いていた扉から、その子と一緒に抜け出した。
またも場面が切り替わった・・・いや、世界が切り替わった。
その世界では、僕は飛行機に乗っていた。
僕の他にも数名、その世界では僕の友人という事になっているであろう人物が数名居た。
飛行機は、既に壊れていて、いつ墜落してもおかしくないという状況にあった。
「俺はこんなところにいたくない!死ぬなら自分から死ぬ!」
そう叫んだ一人の男が、急に飛行機の扉を開けて飛び降りた。
気圧の関係で、本来なら周りの物も外に吸い込まれるはずだが、夢の中なのでそんなことは無かった。
そうして、その男に続き何名か扉から飛び降りて、残ったのは僕含めて3人だけだった。
「なんとか無事に降りられそうだ!」
機長らしき人物がそう叫ぶと同時に、近くの空港に不時着した。
その後、飛び降りた数名がどうなったのかは知らないが、恐らく亡くなったであろう。
世界はまた変わり、最初に居た世界へと戻った。
僕と女の子はまた、そろばん教室へと向かっていた。
そろばん教室に入る手前のちょっとした小道に差し掛かったところで、彼女が、
「会話、途切れさせないって言ったじゃん。」
と、少し悲しみを込め発したので、僕は、
「ごめんね。」
と、淡白な謝罪を述べた。
そろばん教室の中に入ったら、相変わらず、自分が知っている所が入り混じった不思議な空間に居た。
時間帯も相変わらず、世界が青く満たされていた。
数名のおじさんが、奥のテーブルを囲んで談笑していた。
この時も、女の子と話していた気がするが、内容は覚えていない。
すると、唐突に僕はそばにあったおじさんの靴を持ち、中にマーブルチョコの様な、ポイフルの様な、とにかくカラフルなお菓子を大量とまでは行かないが、それなりの量をぶち込んだ。
そうして、そのおじさんの靴から直にお菓子を取り出し、口に次々と放り込んだ。
だが、お菓子の味も、おじさんの靴の臭いもせず、嫌悪感も無かった。
それからしばらくして、女の子がおもむろに立ち上がり、僕に向かって一言
「次は、もう少し色々話したいね」
と一言放ち、去っていった。
その瞬間、目が覚めた。
世界も急に切り替わり、とてもじゃないが現実だとは思えないような光景だったが、
夢の中ではそれを現実だと思い込んでいた。
思い込んでいた、というより、それが夢であるか現実であるかなど考えもしなかった、という方が正しいだろうか。
そんな、とても不思議で印象に残る夢だった。
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