仮面ライダービルド LOST 2章
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「...誰なんだ...?あんた一体...」
戦兎とそう聞くと男は驚いたように言った
「は?お前何言ってんだよ。俺のこと忘れたとは言わせねぇぞ。」
「いや...本当にわからないんだ...」
「はぁ...?まぁいいや...ぶっ叩きゃあ思い出すかもなぁ!」
そう言うと男は戦兎に殴りかかってきた。
「はっ!?ちょっまって!」
「待つわけねぇだろォ!」
「やるしかないのか...!」
戦兎は2本のボトルを構える
『ラビット!タンク!ベストマッチ!』
『Are you ready?』
「変身!」
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!』
「どうだ!降参する気は少しは湧いたか?」
そう戦兎は挑発するが...
「はぁ?テメェがそう来るならこっちもやってやるよ。」
男の手にはゼリーらしきものが握られていた
「なんだ...?それは...」
「スクラッシュゼリーのこともわからねぇのか!?マジで忘れちまってんのか...なら尚更ぶん殴って思い出させねぇとなぁ!」
男はゼリーを巻いているベルトに装着する
『ロボットゼリー!』
男は発した
「変身...!」
『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!』
男はゼリーに包まれ【仮面ライダーグリス】に変身した。
「なっ...!お前も変身できるのか!?」
「戦兎...お前と本気でやり合うのは久しぶりだなァ...!行くぞォォォ!!」
男は戦兎に殴りかかる。
「なっ!こいつ!強い!」
「当たり前だ!お前と何度修羅場くぐり抜けてきたと思ってんだよォォ!!」
男の戦闘力は高く、みるみる戦兎を圧倒していく。
「このままでは...まずい...!」
押されて仰け反った戦兎に男は言った
「終わりだ。」
『スクラップフィニッシュ!』
男の足にエネルギーが纏われ、戦兎に強力なキックを放つ。
「オラァァァァァ!!!」
「クソ!やるしかない!」
『Ready?Go!ボルテックフィニッシュ!』
戦兎も負けじとキックを放つ...が...
「強すぎる...」
「どォォォだァァァァァァ!!」
男は戦兎の攻撃を押しのけ、キックを命中させる。
「ぐわああああああああああああ!」
戦兎は吹き飛ばされ、変身が解ける。
「どうやら本当に忘れちまってるらしいな。本来のお前はこんなもんじゃねぇ。」
「本来の...俺...?」
「教えてやる...お前がどういう人間だったかを...」
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「...ってところだな」
「...あまり良く思ってなかったってコト?」
「はぁ!?どこ聞いたらそうなんだよバカ!」
どうやら彼の名は猿渡一海と言い、過去に戦兎と共に戦った仲らしい。今の戦兎にとっては、見に覚えのないことだろうが。
「で、昔の俺と一緒に戦っていたのは、アンタだけなのか?」
「いや、他にも二人いる。てか万丈のことも覚えてねぇんだな...」
「万丈...」
何故かその名は心に引っかかった。戦兎は忘れてはいけないことを忘れているような気がした。
「で、その万丈ともう一人は?」
「氷室幻徳。まぁ、ヒゲだな。」
「ヒ、ヒゲ...」
「まぁ、俺はなんもわかんねぇままこの世界にいた。ハザードレベルも結構前の状態に戻っている。これからどうすれば良いのかなぁ...」
「お前が思うにこの世界ってなんだ...?」
「?見たこともねぇし良くわからねぇ変な世界だな」
「...とにかく、その二人も探せば、なにか手がかりが掴めるかもしれない...」
「?どういうことだ?」
「アンタから万丈って名前を聞いたとき、記憶の中に何かが引っかかった。明確には思い出せないが、きっと何かある。万丈本人に会えなくても、その氷室幻徳って人から情報などを聞ければ、記憶をこじ開ける助けになるかもしれない。」
「お、おお...よくわからんが、ヒゲと筋肉バカを探せば良いんだな。俺も行ってやるよ。」
「...良いのか?」
「馬鹿いうな。お前とは仲間だったし、このままじっとしててもなんの進展もねぇしな。」
「...ありがとう。」
戦兎に猿渡一海という心強い仲間が増え、旧友を探す旅が始まった。
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