8/31のサンタさん(夏の思い出)
「――ああ、今日は8/31を届ける日か…だるいなあ」
そう言い、自宅の扉を開ける。
「最初は…ここの家か。」
トナカイ型の車に乗り、対象者の家に行く。
「こんにちわー。8/31を届けに来ましたー。」
母親が出てくる。
「あ、サンタさん。うちの拓斗が部屋から出てこなくて。
もう!明日学校なのに困っちゃうわ。」
帽子を整えて言う。
「かしこまりました。しっかりお届けさせていただきます。」
「拓斗くーん?部屋はいるねー。」
「たく…とく…ん?」
そこには美しく飾られて眠っている拓斗くんがいた。
触ると夏だというのに氷の部屋にずっといたかのように冷たかった。
「…チッ、あれに先越された。」
世界には8/31を届ける「サンタ」と
不安で8/31を「なかったもの」に変える「メガミ」がいる。
サンタは8/31を無事に届けられればいいが、メガミは厄介だ。
対象者を飾り付け、最後に安楽○させるという厄介者。
「メガミめ…人の対象者をひどい処理しやがって…ただじゃおかねえ。」
光線銃を握りしめ、あたりを光で当てて探す。
すると異常な光り方をした場所があった。
「見つけた!」
打つとぬらぬらとでてきた。
「あーあ、飾り付け大変だったのに〜。」
銃を突きつけて言う。
「仕事を奪うんじゃねえ。そっちは自由な期間に出来るだろうが。」
「あっそ〜。長い話きらいだからバイバ〜イ」
するとメガミは煙を焚きどこかへ消えてしまった。
「っざけんなよ。」
拳を握りしめて自分を殴る。
「また…救えなかった…!」
だが泣いてなんていられない。支度をして車に乗る。
空の一つの星が、僕を見ていた。
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