実況者二次創作「怪物」
怪物
昔ある所にとても強い国がありました。
その国の総統と幹部のおかげで国民は毎日平和に過ごしていました。
毎日絶えず笑い声や子供達が楽しそうに遊ぶ、そんな声が聞こえてくる。
というのは表の顔。
本当の姿はとても恐ろしく、いつ自分がおかしくなるか分からない恐怖に怯えながら毎日を過ごしていました。
そう呼ばれるのも無理はありません。
何故ならばその国は、身寄りのない子供を引き取り徹底的に殺人術を教え込ませ、殺戮兵器を造る地獄だからです。
学校と称したその実験場は、感情の欠けた都合の良い殺戮兵器を造る、魔物の住む場所なのです。
今も国民達はその恐怖に怯え、怪物になんかなりたくないと泣き喚いて、毎日を楽しそうに過ごしています。
とある国と戦った時、戦争をした時、思った事。
白目と茶色のベストが特徴の男は言った。
「国の為。任務を必ず遂行しなければ。そう言って怯えながら死んだんですよ」
フルーティーな香りがする紅茶を飲みながら「私の予想は当たっていましたね。総統さん」と言って笑った。
学校の教授から聞いた事。
それは何とも言い難い、恐ろしい話だった。
エーミールと名乗る教授は子供に聞かせるお伽話のように言った。
―昔ある所にとても強い一つの国がありました―
「言ったでしょう。失敗作があの子供なんですよ」
失敗作。あのスパイが失敗作なのか。
そういえば一週間前の事だったな。
「トン氏、早く行くゾ」
「あ、俺ロボロに資料渡してから行くわ」
分かった。と返事をし、総統室へ向かう。
一体教授の話は何だったのだろうか。
「気を付けた方が良いですよ。それは貴方を変えてしまうかもしれませんから」
突然俺を変える。殺すでは無く変える。
見つかるはずのない答えを探している途中だった。
見慣れない兵士が後ろに居る。姿形こそこの国の兵士だ。だが違う。
気配が無さすぎる。
いつ現れたのか。いつからそこに居たのか。ダクトもドアも何もない。
じゃあ俺が気づかなかったのか。
そうだ。最初からそこに居たのに気付かなかった。
気配が無さすぎるその不気味さと異常な殺気。
冷や汗の感覚が気持ち悪い。
エメラルドグリーンの目をこちらに向け、躊躇も無いまま銃口をこちらに向ける。
銃の引き金を引いた瞬間だった。
トン氏が押さえ付けた。それでも自らに向けた目は逸らしていない。
彼は一体何者なのか。大男が抑えても解かれそうな程の怪力。
俺は無意識のうちに押さえ付けられた彼の前に膝をつき、勝手に口が動いた。
「冷静で殺意が籠っている冷たい目だな。それなのに躊躇いを持っているのか」
躊躇い。どうしてこの言葉が出てきた。
いや、今この状況でそんなことどうでも良い。
俺よりも圧倒的に年下だ。さすがに殺すのは気が引ける。
仕方がないが、牢に閉じ込める事になった。
ただ何も言わない。
当たり前か。と言うような顔で座っている。
だがその中に何故か安堵の表情が見えた気がした。
これが俺が知ってる内容。本当は俺が思った以上に深く、暗い物。
教授から聞いた真実がこれだった。
失敗作。あれで失敗作。あの化け物で失敗作なのか。
じゃあ成功作はなんなのか。あの少年よりも化け物なのか。人ですら無いのか。感性の問題か。
「ああ、成功作の事を言い忘れてましたね」
我に返ったのはその言葉だった。
「成功作は...感性の問題ですかね。ただ人を殺す為だけの道具」
彼達はただ言われた仕事を完璧に遂行するだけの人形。控えめに言っても狂人ですね。面白いでしょう?
やはりこの教授は人間ではない。こんな酷い話でも表情も顔色も一切変えず、ただ楽しそうに話している。
色々な事を知り、教えたがる子供のような、楽しそうな表情。
狂人、人殺し、殺人鬼、どんな言葉でも表現できない。
怪物だ。こいつは本物の怪物なんだ。成功作はこいつの事だったのだ。
こいつは自分が成功作だという事に気付いていない。
そもそもこいつに感情なんていう概念自体存在しないのだから気付くはずもない。
この国は、俺はこの生き物を殺す事は出来ない。絶対に。
どんな状況であれ俺はお伽話の勇者のように倒す事は出来ないし、そもそも勝てない。
俺は負けたんだ。
この怪物を作り上げた人間の住む国ではない。こいつ自体に負けた。
世界は人間も動物も容赦なく殺せる。
それはこの世界に存在するモノであって、何が脅威なのか分かっているから。
怪物となれば話が違う。飼い慣らせやしない。感情も人間らしさも存在しない。
だからあの国はこの怪物を放ったんだ。
この国が、俺が今生きているのはこいつの気まぐれに過ぎない。
「ねえグルッペンさん。真実を追い求める貴方の正義は素晴らしい」
こいつの言葉に鳥肌が立ち、緊張のせいか心臓が痛く、苦しくなった。
俺の本心に気付いたのかただの気まぐれか、怪物は続けた。
「貴方のおかげでこの国の人々は美しい色に染まっている」
でも、知らない方が良い事もあるんですよ。
嘘を吐き続ける事。それが正しい事かもしれないのですから。
ゾムさんも失敗作なりに仕事を遂行してくれましたね。
それはあの少年の名前なのか。
そんな事よりも俺の頭に浮かんだ事。
この教授が、怪物があの少年に地獄を見せ、沢山の人間を殺し、狂わせたのだ。
もしかすると、怪物の闇に染まったのはあの少年ではなく俺かもしれない。
それから数年の月日が経った。
今日も総統と教授は対話する。
果たしてそれは教授を元に戻す為なのか、教授の退屈を和らげる為なのか、
灰色の部屋で話すのはこの怪物を閉じ込める為なのか。
嘘を吐き続ける総統は最強のフリをしながら毎日を「平和」に過ごしている
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唐突に恥ずかしくなったとほざいていたのは後にしといて、もうやったんだからどうせなら私が書いた二次創作全部公開しますわ。
ちょっとだけでも見て欲しい...

