繭。1

4 2026/06/06 01:22

ある日、僕らは奇妙な物を見つけたんだ。

斗海「?なにこれ?」

それは、ただの蜘蛛の巣で出来た小さな繭のようなものだった。

海斗「なんだこれ?」

斗海「さぁ?でも、小さいね〜!」

サイズは、わずか2.5cm。僕の消しゴムコレクションより小さい。海斗が首を傾げる。

海斗「でもさぁ?こんなのどっから入ったんだ?」

それはそうだ。母さんも父さんも虫嫌いだし、こういう置物とかが合ったとしても、絶対に買わないだろう。

斗海「う〜ん...蜘蛛がいるのかな?」

海斗「げぇ!?最悪〜...どっかに、虫スプレーないっけ?」

斗海「今は切らしてるはずだけど...」

僕らも、母さんに感化されたのか、大の虫嫌い。蝶々とか、小さい蟻も無理なくらいだ。

海斗「とりあえず、捨てようぜ。袋持ってくる」

斗海「あ、うん。」

海斗が、タンスの裏にくっついた蜘蛛の糸の繭を袋で取る。

海斗「...うわぁ!?」

...僕は吐き気をもようし、口元を抑え目をそらす。繭の中は、虫の死体がぎっしりと詰まっている。

海斗「さ、さっさと捨てよう...」

袋に入れるとすぐさまぎゅっと縛って、ゴミ箱へ入れた。僕はあの光景が頭から離れず、トイレで嘔吐する。

海斗「俺でもヤバいんだし、集合体恐怖症の斗海はもっとヤバいだろ...」

斗海「ま、まぁ...」

僕は口元を雑に袖で拭い、苦笑いをする。するしかなかった。

翌日。

友達の礼翔(れいと)が話しかけてくる。

礼翔「聞いてくれよ、こないだうちで変な繭があってさ〜」

え?

海斗「俺んちにもあった!」

他の友だちも「私の家にもあったよ!」「オレの家にもあった!」と手を挙げる。

斗海「僕らだけじゃないんだね」

海斗「だな」

礼翔「虫好きの奴が言うには、『その繭は蜘蛛の家で、そこに食料を溜め込んでる』んだってさ」

食料を...溜め込む。

海斗「それって虫の死体?」

礼翔「おぉ、そうだぜ?よく知ってるな。」

...知ってるも何も...見ちゃったしね。

友達の真弓ちゃんが、天井を指差す。

真弓「ね、ねぇ...天井が...」

海斗「ま、繭?」

それは、大きな大きな繭だった。

礼翔「中身切ってみようぜ!」

斗海「そう。」

海斗「あっそ」

僕と海斗は目をバシッと覆うと背を向ける。

斗海「できるだけ音立てないでね!」

海斗「そうだぞ!俺本気でチビるからな!」

礼翔「チビんな、きたねぇ!」

真弓「ん〜...で、でもハサミでも切れないよ?結構頑丈だね...」

真弓ちゃんがハサミで繭を切ろうと奮闘する。

(ガッ...ガッ...)

それは、ハサミで鉄を叩いているような音だった。

斗海「(そんなに頑丈なの?)」

僕は音を聞いて少し不思議に思った。

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その他2026/06/06 01:22:15 [通報] [非表示] フォローする
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1: モブ王 @plotzuki15 2026/06/11 17:47:48通報 非表示

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