先生と姉

2024/07/26 09:52

「ここにはボクと兄しかいません、警察のふりをするのは犯罪ですよ」

ミヤは警官姿の男に尖った声でそう言った。

「よく知ってるね、君は賢い子だ。ならわかるだろう?私がただの不審者ではないと。」

「たとえあなたが誰でもここは通しません。」

「なぜだ? 私は彼女を知っている、あの子を管理していた組織のものだ」

君の記憶を消す事も近しい人々の記憶から君を消すこともできる」

『もちろん物理的にも』

男がミヤに銃を向ける。

「コレは本物だぞ?」

「それでもあの子は渡さない。」

「君は彼女が怖くないのか?もう見ただろう、彼女はただの人間では…」

「うるっさい!!」

ミヤが男の男の言葉を遮る。

「人間じゃなくてもなんでもあの子はボクの妹だ!」

「お姉ちゃんどうしたの?」

奥から少女が出てきた、男が声をかける。

「やあ、289。迎えにきたよ、一緒に先生のところへ帰ろう」

少女は怯えたがすぐに察した、自分が戻らなければお姉ちゃんが危ない。

「はい」

男の元へ行こうとする、しかしミヤが怒鳴った。

「バカ、ほっぺ引っ叩くよ!アンタはボクの妹でしょ!」

「うん!」少女は泣きながら答えた。先生のところへは行きたくない、お姉ちゃんと一緒にいたい。ただそう思った。

「ふむ、なるほどねぇ、コレは私の負けかな。」

男が銃を捨て、言った。」

『やめにしよう、やはり先生では姉には勝てないね」

「怖い思いをさせてすまない、彼女を保護してくれてありがとう」

男はそう言った。

続く

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