#14 デド

3 2021/01/18 22:09

現在、私は医者として地方の大学病院で働いている。

あの後ルーたちにあの音源を聞かせるとルーは隊長室の前で聞いた話を打ち明けた。

まず、突撃隊構成発表の日。

たまたま隊長室の前を歩いていると部屋から隊長の声で『研究所からメールが来たんだけど、突撃隊員発表をしてくれと来たんだ。』と言う声が聞こえてきたらしく、ショックを受けたルーは朝食の時に私にそのニュースを伝えた。

次に突撃隊構成白紙発表の日。

その日はルーが施設点検担当の日だった為、隊長室の前でゆっくりと施設点検をしていた。

『研究所から一ヶ月ぶりに連絡が来て、突撃隊発表は白紙にしてほしいとのことだ。』

隊長の声が聞こえてきてルーは飛び上がった。話を聞くためによりゆっくりと作業を続けていると

『え、?!そっちの施設は研究終了の連絡が来て試験者たちを研究所に送った?あぁ、こっちはこの前怪物出現の命令が来て出現させたばっかりだ。まだ終了しないと思うが。』

ルーは耳をよりそばだてた。どうやら隊長は別の施設の隊長と電話で話しているらしい。

『終了発表後の試験者たちの反応はどうだ?ハッハッハッ、そうなるだろうな。今まで信じてた怪物がいないなんて言われてましてや自分達の行動が全て研究材料にされてるなんて知ったら驚くだろう。じゃあ、あぁ、また。』

隊長の話し声が途切れ、こっちにやってくる足音が聞こえてきた。

ルーは耳をほとんどドアにくっつけた状態なのに気がつき慌ててドアから離れて廊下の端まで駆けた。

生憎隊長に足音で存在がバレてしまったがすぐに隠れた為誰かはバレなかったそうだ。

ルーのその告白を聞いた後、我々はしばらくフリーズし、マーレーでさえ言葉を失って持っているペンのインクが服にシミを作っていた。

私はもちろんのことその場にいた仲間たちは信じていない様子だったがそれが真実であることを少しずつ理解し、ある同盟を結ぶことにしたのだった。その同盟はデド出現の発表が来ても動じないこと。そして、すぐに隊長室の前に行くこと。

そのあと部屋に戻った私は無線機と共にその同盟をカイに伝えた。そして他の隊員たちに隊長にバレないようにと言う条件で拡散してもらったのだ。しばらくしてその同盟は全ての隊員に回ったらしく私たちのところにその件でやってくる隊員もいた。

一週間もしないうちにまたデドの襲撃があり、私たちは同盟を発揮した。

動じずに、そして隊長室の前に現れた全ての隊員たちを見て隊長たちは驚いた。

「私たちを嘘で騙すのも良い加減にしてください。」

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その他2021/01/18 22:09:09 [通報] [非表示] フォローする
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全部覆す結末の仕方好きです!笑笑


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