[小説]未解決1
重々しい足取りで目的の場所へ歩く。
その目的地が遊園地であれ、高級ホテルであれ、どこであれ軽々しい足取りではいけないだろう。そこへ行く理由が重石になっては誰でもそうだろう。
高所恐怖症であったり、トラウマがあったり。俺の場合、殺人が起きた場合だ。
中学3年。進路はすでに決まり今はその進路のために殺人現場へ向かっている。勘が悪いやつでもここまで言えば分かるだろう。
俺は探偵だ。正しく言えば探偵になる予定の親が探偵であるが、それはもうそろそろ終わりそうだから関係ない。
この事件が解決すれば晴れて探偵として俺を父さんが認めてくれる。
そう思っているうちに、事件現場の高級アパートに着いた。玄関で父が警察官の人と話している。俺は父さんへかけよって声をかけた。
「父さん、お待たせしました。遅れてすみません。」
俺が声をかけるまで気付いてなかったらしく、声を聞いて驚いていた。
「びっくりしたなぁ。遅れてないし、待ってもないよ。奏瑠も来たことだし事件の全容を聞きに行こうか。」
父さんの後ろに付いていくように、アパートに入った。
事件現場であろう一室の前に付いたところで偉そうな態度の刑事が俺に声をかけた。
「お前いくつだ?ここは遊び場じゃねえぞ。ガキはとっとと帰れ。こっちは暇じゃないんだ。今回はいつにもまして犯人探しが難しいっていうのに子供の子守りまでしてる暇はないんだよ。」
流石に怒っていい案件ではないか?一矢報いてやろうと口を開いたそのときに父さんが前に出た。
「やあ、ハルさん。この度は殺人事件のご依頼どうもありがとう。今回の依頼は俺ではなく、若くて頭の回転もきく息子が依頼を受けてるんです。今回の事件が無事解決できたらこの竹内康孝の息子、竹内奏瑠を正式に探偵として認めると約束してね。そんなところでどうかよろしく頼むよ。」
ハルさんと呼ばれた人は腑に落ちない顔だが父さんの真剣な顔を見て諦めた。
「そうかい。そりゃあ出会い頭に喧嘩売っちまってごめんな。俺は楷川春哉。こう見えて刑事だ。早速事件の全容を軽く説明するよ。」
それが合図かのように俺は使い古したノートを取りだし次の言葉を待った。
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キリがいいので切ります。
シリーズ物の予定です。今回は本文が少なかったように見えますが、次は長く書く予定なのでご安心ください。
ここまで閲覧してくださった方ありがとうございます。次の作品をお待ちください。