小説 ブルーハウス
1章 私は死んだ
「君、覚えている?」
「何をですか?」
「死んだ時の記憶。」
成程。私は車に跳ねられた記憶がないのか。記憶があるのも嫌だけど、記憶がないのも不便だなと思いつつ、ない。あってもすぐには話せないと伝えた。
「そーだよね。君にはっきり伝えたらいいのか分かんないのだけど。」
「…別に、死んでるってことは分かるので大丈夫です。」
分かってる。死んだって。だって、最初に言われたから。
「君、諦めがいいね。多分、他の人はさ~。自分はまだ死んでないっていうと思うのにさー。」
確かに。私は、死んでもいいと思ったのだ。
周りと違う。けど、周りに合わせ、生きてきた。
でも、それを打ち明けようとはしない。
私が、冷酷なのかも知れない。でも、中々初対面で自分のことを喋れる人は中々居ないだろう。
「どうしたん?」
「…何でもないです。」
その後も色々聞かれて、30分くらいたった。
「たっだいま〜!」
大きな声が家に響いた…。
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