学校1の美少女がなんの取り柄もない俺に一目惚れ!? #12 優梨奈の異変
翌日は休みだった。
優梨奈からは何も連絡がなかった。
特にすることもないのでブラブラと遊びに行く。
遊びに行くと言ってもだいぶ遠出だ。
電車に乗るくらいなのだから。
座席に座ってぼーっとしていると、視界の端に見慣れた紫色の髪が窓から入り込む風になびいていた。
無意識にその方向を向く。
予想通りそこにいたのは優梨奈だった。
「おはよう。」
「ん、あぁ、うん。」
あまりにもぼーっとし過ぎて、返事が上の空になる。
だが、少しずつ現実に戻ってくる。
駅から降りた時にはもうすっかり普通だった。
次どこ行こっか…
そして歩き出した瞬間、俺の左腕を誰かが掴んだ。
不自然に熱い腕だった。
振り向くと、そこに居たのはもちろん優梨奈だった。
人を疑ったのではない、俺なんかに用件があることに驚いた。
「え、なに。」
「こ、光一郎くん、今からどこ行くの。」
「特になにをするかは決めてないけど…」
「じゃ、じゃあさ…」
そういうと優梨奈は顔を赤らめて言った。
「私と一緒に行こ…」
え、何言って…
ってかなんで赤面してんだ?
まさか……そんなわけ、ないよな。
「え…ダメってことはないけど、どうして?」
少しの間が空く。
「別に…ついて行きたかったからだけど…何か?」
少し睨みながら言う。
え?なんで?
どうしたんだ?
なんで?という疑問が頭の中を縦横無尽に駆け巡る。
ま、まぁ、いいの、か?
「予定とかなんにもなくてただ徘徊するだけだけどいいの?」
「予定がなくても、光一郎と一緒に居れたら、いい…」
え、マジでどうしたんだこいつ?
頭がおかしくなったのか?
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