ELGAMA #6 エリント

6 2021/11/30 16:48

レイスはまだ 状況が理解できず、ゆっくりとした足取りで祭壇に向かった。

 少年はレイスに気付くと少しニヤッとした。

「そうか、君が…へぇ。」

「なんだ、君は。」

レイスは少し強めに出た、ここで負け腰になれば、負けてしまうかもしれなかったからだ。

 気持ちだけでも勝ちたかった。

「おや、君は僕より年下のように見えるけど、君とか言っていいのかい?お兄さんを舐めないでくれよ。」

 セリフは至って普通だが、彼はどこか冷酷な雰囲気を放っており、そのセリフに怖さを追加した。

「年なんかどうでもいいだろう?君なんかまず態度をわきまえないとダメじゃないか?」

少年の目が腹立たそうに少し細くなった。

「人にそんなこと言えるんだったら、君はもう名前くらい名乗っているんじゃないか?」

なかなかに痛いところを突いてきた。

「分かった、僕はレイスだ。ピルミのプレク村に住んでいた。」

レイスがそう言うと、少年は満足そうにこう言った。

「やればできるじゃないか。」

「ほら、言ったぞ。お前も名乗れ。」

なぜだか知らないが、この少年に向かってだけは嫌悪感が底からずっと湧いてきた。

「僕はエリント、真帝王戦恐団の1人だ。」

その一言を聞いた途端、レイスの体が震えた。

自分の両親を、村人を殺した団だ。

 気付いたらレイスはエリントに飛びかかっていた。

エリントはまだ話の途中だったが、そんなもの知るものか。

 エリントはレイスに気付くと、驚きに目を見開いた。

バシッ!

誰もがレイスの勝ちだと思っただろう。

 だが、レイスは負けた。

エリントは反応速度、剣を抜く速さ、そして攻撃速度の全てでレイスに勝ったのだ。

 レイスは腹を切られ、赤い血が流れていた。

「いくらなんでも不意打ちはダメだよなぁ?レイスくん。」

エリントは剣を鞘に収めながら言った。

 悔しかった。

あんなに有利だった勝負に負けた。

「その血じゃあ重症だね。君程度の治癒力だけじゃ治らないよ。」

レイスはふと思った。

確か、ポケットに先ほど摘んだエベウプが入っているはずだ。

レイスはポケット探ると、素早くエベウプを引っ張り出して、エリントにバレないように実をすりつぶした。

 出てきた汁を腹にかけると、みるみるうちに傷は治り、元通りになった。

「まだだ…」

その声にエリントは振り返った。

「やめときなよ、まだ傷が治って…なるほど、エベウプか。」

エリントは本気を出すのだろうか。

「どうせ僕が勝つけどね。」

エリントはその言葉とともに鞘から剣を抜いた。

 青い剣がくすんだ色の草原の中で光った。

6話↓

https://tohyotalk.com/question/240838

いいねを贈ろう
いいね
6
コメントしよう!
画像・吹き出し


トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する
その他2021/11/30 16:48:48 [通報] [非表示] フォローする
TTツイートしよう!
TTツイートする

拡散用



これから読みます!


3: 俄か雨 @niwakaame 2021/11/30 23:40:34 通報 非表示

4、5、6一気読みしたぁ♪

良い(* ´ ▽ ` *)


>>3
エリントエグ強いよ


>>3
また書いたよ


6: 俄雨 @niwakaame 2021/12/08 23:04:51 通報 非表示

>>5
うぇへ(* ´ ▽ ` *)

一気読み開始~


>>6
7、8、9話?w


8: 俄雨 @niwakaame 2021/12/09 16:36:25 通報 非表示

>>7
読んだよ(*^¬^*)


>>8
そうかそうかw


画像・吹き出し

トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する