ELGAMA #23 アリゴ編 #2決別

4 2022/01/10 11:28

 ミアが強かったのはあくまでも操られていた時だ。

正気を取り戻した今、彼女に力はないだろう。

「ダメだ!エリント、戦っちゃいけない!」

「なんだレイス、弱音か?」

レイスが必死に呼びかけるも、エリントには伝わらなかった。

 エリントがフェルグに飛びかかった。

そして、互いの剣が当たる音が辺りに響く。

 ミアはただその場に立ちすくんでいた。

目の前に広がる戦闘の光景に、怯えている。

 ミアは、女性だ。

戦うような体にはなっていない、ましてやミアはそんな性格でもない。

すると、フェルグは狙いをミアに切り替えた。

 一番勝てる可能性の高い者から狙うつもりだろう。

「ミア!」

レイスはすぐに反応し、ミアに向かって走り出した。

「チッ!そっちを狙うか。」

エリントも加勢する。

 レイスがどう足掻いても、フェルグの素早さには敵わない。

だがエリントは違った。

 フェルグとほぼ同じようなスピードでミアの方に向かっている。

フェルグが斧を振り上げる。

ミアの目に恐怖が浮かぶ。

 レイスは思わず目を瞑った。

何かが擦れる音。

 目を開けてみると、エリントがミアを後ろ手に庇うような態勢で座っていた。

エリントの腕からは血が流れている。

 だが傷は浅いようだ。

エリントのすぐ目の前には、フェルグが突き出した斧があった。

「よくその実力で挑めたもんだ。」

フェルグは冷たく言い放つと、その場を去って行った。

 長い沈黙。

聞こえるのはエリントの荒い呼吸のみだ。

 

「…ごめん。」

沈黙を破って、ミアが声をあげた。

「私が変なこと言わなかったら、こんなことにはならなかったよね…」

「ああ。」

エリントはそう言うと、腕を押さえながら立ち上がった。

「っ!その傷…」

「もういいよ。」

エリントは顔を見せようとしない。

 先程まで暑かったはずの森は冷たい風が流れている。

「お前ら、いつまで平和ボケかましてんだ?」

いつものエリントとは違う、鋭い言葉。

氷のような風が頬を伝う。

「『戦っちゃいけない』?冗談じゃない、真帝王相手にそのルールが通用するとでも?」

「人を傷付けることになんの躊躇もない、あの悪の結晶に、通用するとでも?」

 エリントがこちらを振り返った。

冷たい表情。

「戦えもしないザコのくせに、キレイごとばっか言うなよ。」

 エリントは、こちらを振り返りもせず、去って行ってしまった。

凍えるような風が頬を伝い、レイスの目に氷を作ろうとしている。

 仲間の絆が、今、崩壊しようとしていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

✌︎('ω'✌︎ )傑作の自身ありき!

エリントの後半のセリフめっちゃ迷った〜w

23話↓

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その他2022/01/10 11:28:00 [通報] [非表示] フォローする
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2: 桃太郎 @j40221095 2022/01/10 11:29:25 通報 非表示

>>1
傑作だぁ


4: 桃太郎 @j40221095 2022/01/10 11:30:09 通報 非表示

>>3
www


5: 桃太郎 @j40221095 2022/01/10 11:36:03 通報 非表示

>>4
(*´▽`*)

楽しみ

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