ELGAMA #26 アリゴ編 #5 決着

5 2022/01/10 12:06

「エリント!」

ミアはゆっくりと立ち上がり、エリントに歩み寄る。

「おい、こっちに来るな!」

エリントは光雑法を打った。

 ミアに光雑法が当たったが、少し怯んだだけで、歩みをやめなかった。

「エリント。」

「来るんじゃねえって!」

エリントが必死に光雑法を打つ。

「いたっ!」

 光雑法がミアの顔に直撃する。

ミアは少し後ろに吹き飛んだが、顔を押さえてまた立ち上がった。

「もう一回、一緒に行こうよ。」

「やめろ。」

エリントが何回光雑法を打っても、ミアは顔の所々に浅い傷を刻ませて立ち上がる。

「やめろ、ほんとにやるぞ。」

ミアが歩み寄った。

「ミア!早く逃げて!」

レイスの言うことも聞かず、ミアは歩み続けた。

 レイスはもう一度叫ぼうとしたが、頭が痛み、そのまま気を失った。

「ミア…」

エリントは悔しそうに目を瞑ると、剣を振るった。

 剣先からは黒色の闇が発射された。

ミアに闇が当たる。

 ミアは体を大きく引きずりながら吹き飛んだ。

ミアは、倒れたまま動かなかった。

エリントの激しい呼吸だけが辺りに響く。

「ミア…」

エリントはまだ状況を理解できていないようだ。

「えり…ん…と……」

すると、ミアが、体を震えさせながら立ち上がった。

 震えながら歩み続けるミアに、エリントは声を失い、ただ見ることしかできなかった。

ミアはゆっくりと、着実にエリントに近付いた。

 そして、ついにエリントのすぐ側までやってきた。

段々と大きくなるミアの息遣いは、ミアの限界と反比例しているのだろうか。

ミアはエリントの顔の高さまで手をあげた。

そして、ヘナヘナと、エリントの顔に痛くも痒くもないパンチをした。

 

「ふふ…」

ミアはニッコリと笑って、言った。

「エリント、私、ちゃんとじぶんでこうげき、できたでしょ?…」

段々とミアの目が細くなってきたと思うと、ミアはその場に倒れ込んだ。

 エリントはその場にへたり込み、呆然としていた。

そして、誰に向けたものでもない言葉を発した。

「…ばかやろう……」

**

目が覚めると、目の前にはただの木目が広がっていた。

________なんだ木目か…ん?木目?

 レイスはガバッと飛び起きた。

「よう、お目覚めのようだな。」

横に座っているのはエリントだった。

「なんでエリントがここに?…」

レイスの覚えているには、ミアがエリントの所に歩いて行ったところまでだ。

「そういえばミアは?」

「待て、質問を二個以上重ねるんじゃねえ。ミアは大丈夫だ。……重傷だが。俺はお前らのとこに戻ることにした。」

「え?そりゃまたなんで?」

エリントは頬杖をついて溜息を吐いた。

「まったく、あいつの笑顔にゃ負けたぜ…」

「なんかカッコ付けてる?」

「まあまあ安静にしときな、傷が治んねぇだろ。まだアリゴの番人を倒してないぜ?」

「そっか、すっかり忘れてたよ。」

エリントが去ると、レイスは目を閉じ、眠りについた。

次話↓

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その他2022/01/10 12:06:44 [通報] [非表示] フォローする
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2: 桃太郎 @j40221095 2022/01/10 12:16:41 通報 非表示

>>1
(・∀・)イイネ!!


4: 桃太郎 @j40221095 2022/01/10 12:17:45 通報 非表示

>>3
明日も上げるの?


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