【小説】BTSと私 第3話
BTSを題材に小説を書かせていただこうと思います
ときどき他のBTSメンバーやTWICEメンバー、BLACKPINKメンバーも出演します
ぜひ読んでみてね
〈登場人物〉
私・ユンギ・ジン・ナムジュン・ホソク・ジョングク・テヒョン・サナ・ミナ・ナヨン・ジヒョ・チェヨン・ダヒョン・ジョンヨン・モモ・ツウィ・リサ・ロゼ・ジス・ジェニ
〈本編〉
「ヒョン!!」
エレベーターの誰かが叫んだ。だだっと駆け寄ってくる。ユンギが陰になって誰なのか見えない。
ていうか、さっきヒョンって言ったけど、お兄ちゃんって意味だよね?ユンギって弟いたっけ?確か兄がいるとは言ってたけど・・・
「이런 곳에서 뭐하고 있니?(こんなとこで何してんの?)」
ユンギがびっくりしたように韓国語で言った。私はなんて言ってんのかわからないので、???状態でぼんやり立っていた。
「형이 오늘 돌아온다고 연락했기 때문에 서둘러 왔습니다.(ヒョンが今日帰ってくるって連絡あったから急いで来たんだよ)」
誰かが興奮気味に早口で喋っている。なんか聞いたことがある声だ。柔らかくって、ちょっと唇を尖らせたような、あざとい感じが・・・
「・・・よし」
確かめたい。気になる。私は緊張しながら、ユンギの背中から思いきって顔をヒョイッと出した。
ジミンだった。後ろには面白そうな顔のジョングクとホソクもいる。
「きゃあ」
叫んでしまった。
バカっ!と思いながら慌てて口に手を当てたが、もう遅い。ジミンが驚いたように私を見て、ジョングクも私を見た。ホソクも「おっ」という顔でユンギを見た。
ジミンとジョングクの真っ直ぐな眼差し。私は思わず顔を伏せてユンギの後ろに隠れた。恥ずかしい。あまりにも強烈すぎる。
「이 아이는 누구입니까?(この子は誰?)」
ホソクが言った。ユンギは私を見て、ため息をつくと答えた。
「전에 일본인과 사귀고 있다고 말했겠지. 그 아이야.(前に日本人と付き合ってるって話しただろ。その子だよ)」
「おおおおおおおお!!!!」
ジミンとジョングクとホソクは何やら大興奮で拍手した。ああユンギ、なんて言ったんだ。あー知りたい。韓国語勉強しよう。
「あンンン、こ、こんにちわぁ」
ジミンが日本語で言って、私にニコっと笑いかけた。私は呆然とした。
「あごめんねぇ」
ジミンはまたにコオっと笑った。私は固まったままだ。
か、可愛すぎるのだが。
「このひと、いい人?」
ジョングクが、上手な日本語で言って、目元に笑い皺を刻みながらユンギの肩を叩いた。ユンギは無表情だ(マスクとサングラスは外している)。私は首を横に振った。ユンギが「え゛」という顔をしたので、慌てて首を縦に振った。ジョングクとホソクとジミンは大爆笑だ。
「형, 혹시 이 아이를 괴롭히는 거야?(ヒョン、もしかしてこの子をいじめてるんですか?)」
「불쌍하네요. 우리가 보호합시다.(可哀想ですね。僕らが保護しましょう)」
なかなかに騒がしい。
ユンギはブスッとしていたが、やがて私の方をみると言った。
「荷物持ってて重いからもう部屋に上がろう。――동생, 떠나라.(ほらどきなさい)」
三人はゲラゲラ笑っている。私とユンギがエレベーターに乗り込むと、
「매우 어울리는 커플입니다(とてもお似合いのカップルですね)」※ジミン
「네, 정말로미남 미녀 커플입니다.(ええ、ほんとに美男美女カップルです)」※ホソク
「형을 동경하다(ヒョンに憧れます)」※ジョングク
「시끄럽다!(うるさい!)」※ユンギ
私はたまりかねてエレベーターのボタンを押した。でもそれがどうやら「開」だったらしく、いつまで経っても閉まらない。外の三人は面白がっている。ユンギがドアが閉まらないことに気づき、ボタンを押した。
しゅー。閉まっていく。ジミンがニコニコ手を振りながら見えなくなる、ジョングクが見えなくなる。
最後、一番テンションの高いホソクがなにか韓国語で喚いた。
ドアが閉まった。
「ふぃー・・・」
ユンギが珍しいため息をついた。私は笑った。
「楽しそうだね」
心からそう言うと、ユンギはじっと私を見て、低い声で
「浮気するなよぉ・・・」
私は爆笑した。
「いやあ、どきっとしちゃった。テヒョンの真似でしょ。そっくりだね。やっぱ兄弟だな」
「メンバーだよ」
クールなユンギ。
「あ着いた」
しゅう・・・。エレベーターは53階で止まった。上から3番目だ。すっとドアが開く。風がふきつけた。
「さむっ!」
私はコートの襟をおさえた。寒すぎる。クールなユンギは私をちらっと見ただけで、ひょいひょい先に行ってしまう。廊下からはソウルの町並みがきれいに見渡せた。空は青い。角を曲がる。そこには2部屋並んでいて、ユンギは手前の部屋の鍵をガチャガチャしていた。
「ここ?」
「そうだよ」
ガチャ。
「わ、え嘘でしょ。広ーい!」
マンションとは思えない・・・なんだこの広さは。
「え、これ二人暮らしには広すぎない?」
私は興奮してユンギに聞いた。すると・・・
「え、二人?一人だけど」
・・・は?
「・・・え、ユンギは?」
「俺隣の部屋」
「え、同棲じゃないの。私達付き合ってるでしょ一応」
「いや、そういうのはまだやっぱ早いよ」
「え」
「一人のほうが君も落ち着くだろ。大丈夫。困ったときは俺隣りにいるから」
「え」
ええええええええ!!!
【小説】BTSと私 第4話