ヒーロー×サスペンス小説 アナザーキングーAnother kingー episode.2
【前回のあらすじ】
ある日の深夜、山でソロキャンプ中の女性が突如として怪人のような姿をした不審者を発見。
逃げようとすると、地面にはなんと無惨な死体があった。
そして、とある刑事がパトカーで山に行くと、そこには刑事、警官などの数々の無残な死体が取り残されていた。
上から謎の声が響き渡り、空を見上げるとそこには怪人が羽を羽ばたかせながら、飛んでいた。
急いで警官とパトカーに乗り込み、走り続けると、どこかの山へ着く。
怪人とはぐれ、安心したまま白い謎の建物へ避難しようとした途端、運転を誤り、建物へ車を突っ込んでしまう。
運転していた同乗者は絶命。
そんな絶望的な中、白い建物へ避難する。しかし、そこで、ある命を賭けた決断を迫られてしまう-ー。
「この瓶は特殊なエネルギーを持っているものしか効果が効かない一時的に超人になる成分が含まれている瓶だ。しか
し、そのエネルギーが備わっていない者はすぐに死ぬだろう。君はそれでも瓶を飲むか」
男は俺に向かってキツイ目を向けながら、そう言った。
「はっきり答えろおお!!!!お前は刑事なんだろ?お前は正真正銘の犠牲のない正義を望むか?今すぐに答えろ。お前の決断次第で犠牲がなくなるんだ!!お前の刑事になった意味を、お前が生きている意味を暗闇の底から見つけだせ!!」
『やってやるしかねえだろ!!こんなに死んでるんだ!こんなに俺たち刑事が死んでるんだ!!俺は命を賭けてでも、超人になってやるよ。笑顔が一つでも増えるのなら、何度だって死んでやる』
「本当にそれで良いんだな?お前は下手したら死ぬんだぞ。それで、いいんだな?」
『あぁ、良いんだこれで。それじゃあ、瓶をくれ』
そして、俺は瓶を勢いよく飲み干した-。
アナザーキング-Another king-
瓶を飲み干した途端、俺の体に今まで感じたことのない異常な感覚が入ってきた。
「さぁ、行ってこい。命を賭けて世界を、この国を、人類を救ってくれ。さぁ、勇気を出して行け!!もうお前は後戻りできない。根気強く守ってこい!!お前に託されたのはそれだけだ。
男にそう言われると、俺の手は異常なまでに震えていた。
そして、手を見ると手は真っ黒に染まっていた。
「もう後戻りはできない」その言葉を胸に勢いよく扉に向かって、走って扉を開けると、目の前には悪魔のような姿をした怪人がいた。
怪人に向かって勢いよく顔を力強く拳で何度も殴ると、怪人の目は異常なまでに赤く光りはじめた。
あまりの光に目を瞑ったその途端、前から強い衝撃が走った。
目を開け、気を取り直し、隙を狙って、怪人の顔に向かって勢いよく足で蹴ると、怪人の口から噴水のように血が噴き出した。
その途端、俺は怪人の胸に銃を発砲し、穴の空いた胸の部分を何度も撃つと、怪人は絶命したかのように倒れた。
「クソ……弾切れか……まあいいか……ひと段落したことだしな……」
そう呟き、そのまま去ろうとした途端、怪人に背後から襲われた。
後ろを振り返り、怪人に向かって足で何度も蹴ると、怪人はまた赤く目を光らせた。
目に強い痛みが走りながらも、何度も怪人の腹を蹴り続ける。
「俺はな……警視庁捜査一課の刑事だよ。
でも刑事ってのは子供の死体を何度も何度も死ぬほど見るんだよ。
一家心中に、腐乱に、骸骨に、何度も何度も見るんだ。その子にはちゃんと用意された枠の未来があって、その枠で自由に羽を羽ばたかせるつもりだったんだ。
でもそれが、なくなったんだ。俺はお前ら怪人の思惑なんてわかんねぇ。
人間が自由に暴れて自由に身を汚し、自由に相手を傷つけてきたから。
でもなぁ、人間にはまだやらなきゃいけねえ役目があんだよ。
お前ら怪人と同じだ。でもな、これだけは覚えとけ。
お前ら怪人は人間を食うはずだ。偏見かもしれねえが、でも、せめてせめて、子供だけはやめろ」
俺は怪人の頭に向かって蹴りを入れ、ポケットに入っているボールペンを怪人の足に突き刺した。
『あばよ…少なくともお前はこの理不尽な世の中で、人を救うヒーローになれなかったってことだ。来世はきっとお前の望み通り人間に生まれるさ』
そう言い、俺は怪人の胸を数回拳で殴り、その場から去った。
2時48分ーその様子を見ていた謎の集団は男に向かって、嘲笑の表情をしていた。
「これが噂の超人男ですか?随分とまあ暴れちゃって暴れちゃって。
怪人は人々の【悪意】が餌ですからねぇ。その餌はきっとなくなることないでしょうな。
巨大な陰謀が世の中にはあるんですから」
男そう言うと、後ろにいる黒いマスクを身につけた男が反応する。
「あの男には何かしらの安易な正義感があるに違いないでしょうな。
さっさと始末して、わたしたち組織を知られないようにしましょう」
「さてと、あの男を片っ端から始末しておきますかな」
そう言うと、男はモニターについている謎のボタンを押し、悪魔のような笑みを浮かべた。
「何が正義だ、何が悪だ。俺たちは人間の悪意全てを使って、人間を滅ぼし、俺たちが人間に葬られた奴ら全ての楽園を作る。さあ、立場逆転のエンターテイメントの始まりだよ。
誰が黒幕で、誰が正義なのか……疑心暗鬼の渦に巻き込まれろ。人類よ」
俺は山から去り、走って警察署に向かって都市部に戻ると、そこには人間の頭を食う怪人がいた。
怪人は俺を見ると、空高く羽をひらひらと羽ばたかせ、怪人は後ろから俺の方をかじった。
俺は強烈な痛みにより弱りながらも、勢いよくジャンプし、空高く飛んでいる怪人を踏みつけ、警棒で頭を殴り続けた。
『超人刑事舐めんなよ。お前は怪人で、俺は超人だ。勘違いすんな。俺はいつまでもお前ら怪人を倒すまで暴走すっから待ってろよ。なんなら警察署ごとぶっ潰してやるよ。あ?』
そう呟くと、後ろには2体の怪人が羽をひらひらと羽ばたかせながら、謎の拳銃を撃ってきた。
『やってんじゃねええかよ…お前ら怪人が舐めてっと痛い目に遭うからなぁ!』
銃の発砲を避けつつ、一旦怪人から逃げようと怪人からビルへジャンプすると、突然謎の光がやってくる。
『クソ……なんだ…?この光は……あっ、あれは……』
空を見上げると、警察のヘリが空高く強い風を吹かせながら、飛んでいた。
安心した瞬間、ヘリコプターから強烈な断末魔の絶叫と銃砲が聞こえてきた。
耳を押さえながら、ヘリコプターの方を見ると、そこには俺の同僚の無残な死体があった。
『なんだよ……なんで…なんでだよ……なんでこんなに俺の周りの人が死ぬんだよ!!なんでだよ…』
そう叫ぶと、ヘリコプターの操縦者がいないため、段々と高度が落ちていく。
『命賭けてやってやるよ。ヘリコプターでお前らぶっ殺すぞ。誰が同僚の死んでいく姿を見て、何もしねえんだよ。舐めてんじゃねえぞ』
俺はヘリコプターに急いで乗り、操縦の知識もない俺はとりあえず操縦席に乗り、怪人のいる方へと死に物狂いで、突っ込んでいった。
『クソくらえ。俺は狂犬の超人で、お前は怪人だ。舐めてんじゃねえぞ。人殺して笑ってんじゃねえよ!!!!人食ってんだから土下座くらいしろよ!!!うるせえんだよ!!さっさと土下座してお前らは死ににゃあいいんだよ。誰が食いもんだ?誰が犠牲者だうるせえんだよ。お前の死体は俺が食ってやる』
そう言い、俺は走って逃げている怪人にヘリコプターで死に物狂いで突っ込んだーー。
すると、上からまた別のヘリコプターの音が聞こえてくる。
しかし、それは助けとはまた別の完全に異なる地獄への誘導であったーー。
「『篠田雅治』。お前を殺人罪及び、殺人教唆、殺人未遂の罪で逮捕する!!」
『お前らもグルだってのか……クソォォォォォッッッ!!!!!!!!!!!ああああああああああああああ!!!!!!!』
男は人生最大の苦しみの混じった叫びを上げたーー。
episode.2『怪人』 完
なろうでも公開してるんで、是非ご覧ください。
次回も楽しみですが 飲んだ後の変化をもうすこし書いたほうがいいでしょう それ以外は問題なしです
>>3
うーん アクションをきっちり書いてるところは上出来だと思いました なぜなら ヒーロー物において戦いは命ですから
>>7
了解です。そういえば今度、風刺が効いた小説公開するんで、是非ご覧ください。