岸田首相がASEANにポンと円借款2950億円 《配るほど余裕あるなら、消費税率も下げてよ》
「私がアジアの未来を考えるとき最も重視しているのが、日ASEAN関係であると明らかにしてきました」
カンボジアを訪問中の岸田文雄首相(65)がASEAN(東南アジア諸国連合)への経済支援として約2950億円の円借款を供与する方針を表明した。
新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ経済の立て直しを支援するほか、台湾有事の懸念を踏まえ、ASEANに対するインフラ投資などで日本の存在感、影響力を発揮する狙いがあるとみられる。
SNSなどでは、《資金援助を通じて日本のプレゼンスを高めるのは当然のこと》などと理解を示す意見がある一方、《バラマキ外交はもうやめて》との投稿も少なくない。
《ポンと2950億円貸すよと。いやいや、今の日本は経済大国だったころとは違うよ》
《エネルギー、輸入物価、食料品など軒並み値上げで生活カツカツ。他国も大事だけれど、自国民の暮らしにも目を向けてほしい》
《そんなに簡単に配れる金があるなら、増税するなよ。社会保障費が足りないんでしょ。配るほど余裕あるなら、消費税率も下げてよ》
岸田政権はASEANに対する影響力が増している中国を意識しているのだろうが、その中国に今年3月末まで実に42年間にわたってODA(政府開発援助)を行ってきたのが日本だ。
外務省やJICA(国際協力機構)などの推計によると、日本は中国に対し、この42年間で「円借款」が約3.3兆円、「無償資金協力」は約1580億円に上る。
援助外交が日本の存在感を示すことになるなら、なぜ、それまで長い間、援助してきた中国の包囲網を作る必要があるのか。理屈に合わない上、これでは、いくらお金があっても足りないだろう。
安倍政権も「地球儀俯瞰外交」などと称し、外遊する度に資金援助を約束したため、「バラマキ外交」と批判されてきた。2018年1月の参院本会議で、社民党の福島瑞穂議員は〈(安倍)総理が表明した(海外への支援)額を機械的に加算した場合、円借款や一部重複部分を含め54兆3621億円になるという回答が(外務省から)あった〉と指摘していたが、岸田政権はこの先、どのくらいの規模の大盤振る舞いをするのだろうか。