韓国ドラマ『歴史歪曲』との指摘でベトナムで放送禁止に

3 2022/11/18 20:09

 ネットフリックス・ベトナムは政府当局の要請に従い、10月6日の正午(現地時間)頃に『シスターズ』を「電撃削除」した。「ドラマがベトナムの歴史を歪曲しており、映画法違反にあたるから」だという。判断を下したのはベトナム政府情報通信省だが、端を発したのはネット上に広がった一般視聴者からの抗議の声だったという。

 韓国の制作会社は、すぐさま謝罪コメントを発表した。「問題を起こして申し訳ない。今後はコンテンツを制作する際に、社会·文化的感受性を考慮し、より一層細心の注意を払う」

 さらにシナリオ作家のチョん・ソギョン氏も、韓国メディアのインタビューに答える形で、「グローバルな環境でドラマを執筆する際には、視聴者に対する細やかな配慮が必要だった」と反省の弁を述べた。

 「歴史歪曲」という指摘をされた箇所には特に言及せずに、問題を起こしたことや配慮が足りなかったことを反省するという、いわゆる「謝罪構文」的なものだった。

 ベトナム側の抗議はその部分ではない。ベトナムの人々が反応したのは、第8話に登場する帰還兵のセリフだった。「韓国軍が快進撃の時のキル・デス比は20対1。つまり韓国兵一人当たりベトコン20人を殺した。精鋭部隊は100対1だった」

 ためしにツイッターで検索してみたら、当該画面のキャプチャーをあげて「Netflix の映画『シスターズ』は、見ないでください。この汚い目」というベトナム語のツイートがあった。これは放映直後の10月1日の書き込みであり、その下には視聴ボイコットを訴えるコメントがあった。

 韓国メディアによれば、ベトナム現地の反発として「韓国兵はベトコンではなく民間人を殺したこと」「彼らを英雄と表現している」などがあったという。

 想定外だったベトナム視聴者の反発。韓国の制作者にとって、これは初めての体験だった。ちなみに「ベトコン」とはベトナムの共産主義者という意味であり、解放民族戦線の兵士などを指す。

 アメリカなどとは違い韓国では、これまで「ベトナム帰還兵」がドラマや映画で取り上げられることはあまりなかった。一昨年、同じくスタジオ・ドラゴン制作の『サイコだけど大丈夫』にはベトナム戦争のトラウマに悩む元兵士が登場していたが、彼のような「敗残兵」的な描かれ方はベトナムの歴史観の中では正しいといえる。ベトナムの立場からすれば、戦争の正義も勝利も自らの側にあり、アメリカ軍も韓国軍も侵略軍であるとともに完全な敗者である。

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タグ: 韓国ドラマ 歴史歪曲 指摘 ベトナム 放送禁止

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政治と経済2022/11/18 20:09:41 [通報] [非表示] フォローする
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1: 1コメさん 2022/11/18 20:23:56 通報 非表示

韓国ドラマは国策ではないか


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