【ループ小説】「大好き」
「大好きだよ」
心のこもったその言葉を聞くのは初めてだった。
中1のとき親友の優衣をいじめから守ってから、私の生活は一変した。
優衣をいじめてた奴らにいじめのターゲットにされた。
それから私は、定期テストがある日、校外学習がある日から通常日課の日まで。
私は学校を休み続けた。いわゆる『不登校』ってやつだ。
私の味方は優衣だけだった。
優衣は私に優しく声をかけてくれた。それだけが私にとっての救いだった。
中3になって、私は学校に戻ってみた。
いじめてきていた男子は、私に謝りに来た。
男子「本当にごめん!」
亜夜「別にいいよ…」
私は許した。心から反省しているようには見えなかったけど…
私が学校に戻ってからおよそ二ヶ月が経った。
だんだんとクラスにも馴染めてきていたし、勉強や部活にも熱心に取り組んだ。
そんなある日…
カタカタ…ドゴゴゴゴォー
「わっ!なにこれ!?」「地震だ!」
…しばらくして揺れがおさまった。
私達は校庭に避難することになった。
優衣「亜夜、行こ!」
亜夜「うん…!」
でも、私は転んで足をひねってしまった。
亜夜「痛っ…」
優衣「亜夜!大丈夫!?」
亜夜「私はいいから、早く逃げて!」
優衣「え…でも…!」
亜夜「いいから!」
〜優衣目線〜
あれから私は、亜夜に言われて逃げてしまった…。果たして亜夜は大丈夫だろうか…
カタカタ…
また揺れた…余震だ。
この余震が決め手となったのだろう。学校の壁はボロボロと崩れ落ちていった。
優衣「亜夜っ!」
亜夜は出てこなかった。
間もなく、救急車と消防、警察が来た。
先生が連絡をしてくれたらしい。
警察の人によると、最初に起こった本震で学校の壁に大きなヒビが入った。その時は壁は崩れなかったが、その後の余震で壁が崩れてしまった。と考えるのが1番近いらしい。
しばらくして、瓦礫の下から発見された亜夜は病院に搬送され、死亡が確認された。
優衣「亜夜…嘘…だよね?」
そう問いかけても、返事は返ってこない。もう生きてないんだ…
亜夜には本当に感謝しかない。
私をいじめから守ってくれた。ずっと仲良くしてくれた。
今はもう冷たくなってしまった亜夜に、私はこう伝えた…
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