ゲットラッキー号帰還

2 2023/05/15 12:20

旅は始まれば 終わる   でもいつ終わるかわからない

僕らは近くの惑星にエネルギー源を得るため着陸するつもりだ

金属と水を集め 燃料と栄養として動かす 疲れを知らないこの体

今は宇宙暦3000年僕らの故郷はこのゲットラッキー号

祖先の故郷を目指す僕ら 何も知らない地を目指す

僕たちが何の生き物かも忘れた。 ただこのボディの中に響く

金属の音は確かに生を感じさせる。 

今見える惑星が回っているのも始まって終わりがあるからだ。

自分自身が何者であるか それを解るまでには随分遠く来てしまったんだろう

私たちは 祖先はなぜ宇宙船で旅をする選択をしたのかはわからない。 ただ

今生きている 僕の目のガラスは美しく光っている。

僕らの宇宙船にある一番の娯楽はゲームでも芸術でもない

バーとダンスホールだ。 数時間おきに絶対同じ曲が流れるとても古い曲だがノリノリで 踊りやすい  この船の歌だと思う ゲットラッキーという歌詞が聞こえる

バーとダンスホールは一体化した公共の娯楽施設だ

そこにはいつもうまくダンスを踊っている女の子がいる 肌はいつも美しい金属光沢を放っていて 思わずプラグが出てしまう。   僕たちはオールナイトで踊り続ける。疲れないからだ お腹が空いたらバーでエネルギー補給する  

そしたらオールナイトでまた踊る。 暗い宇宙はいつでもずっと夜だから、

オールナイトで踊り続ける。 踊っているのは別に意味はない  ただ先祖の故郷にたどり着くのが僕らの目的だ。 だけど僕らはあまりにも遠くに来てしまった。

だから踊って待つ  いつ着くかわからない星に  たどり着くラッキーを待っている いつだって定住できる星はあった。でも もう後戻りできないところまで、この旅は進んでる。 だからこそ目的地を目指し続ける。   相変わらずギアと油圧のいい音が聞こえる 音楽とダンスの音がいいビートを刻んでいる 風流に浸っていると

踊り減った美しい彼女が来た   僕はあまり踊りが得意ではないためバーに座っているのだ。   バーも賑わっているなか彼女が隣座ってきた。 

魅惑的なエコーで僕に話してきた「今回の惑星でエネルギーを私の班が見つけたの。

多くポイントもう貰えたし、気分がいいから 少し高めのエネルギーを奢ってあげるわ いつも見てくれてるお礼も兼ねてね」  そう言ってポイントを使い 奢ってくれた

リボンのない突然のプレゼントをもらった 彼女も頼んだエネルギーが来ると直ぐに飲んで行ってしまった また彼女の踊りを見る  何だろうかこの感情は嬉しいが何か劣等感を感じる、この気持ちは そんな事を考えていたためしばらくエネルギーは自分のカプセル内にとって置くことにした。 彼女はずっと踊り続ける  ラッキーは踊って待てという言葉を信じているからだろう。 ラッキーという故郷への帰還を待つ

生き生きとした金属音の中で そう思っていたのは最近15年までの話。

少し違うって、わかった気がした。彼女は踊りを楽しんでる 彼女は楽しみの為に動いてるのだと 僕はラッキーを掴む為に、ここで踊ったりバーで飲んでラッキーを待つ 「ラッキーは踊って待て」を信じていたのは僕だと気づいた。 僕らは眠らない  オールナイトで目的を掴むまでは踊り続ける

 自分達が何だったかも忘れたというのに、  この旅は終わる事がない 夜明けはない 夜明けが始まったら疲れるんだろうか? 伝説に伝わる朝日を見て僕らは眠れるんだろうか? 宇宙船ラッキー号は今日もビートを刻んで帰国路を進んでいる

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アニメとゲーム2023/05/15 12:20:54 [通報] [非表示] フォローする
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>>1
お疲れさんやで


>>2
URLの音楽と共に小説を楽しんでもらえると尚良い


フォロー失礼します


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