兄貴はよく変なおじさんに絡まれる 第二話
第二話
そう、メイド服を着た店員さんは兄貴だったのだ。
「へへっ、バレちゃった?」
兄貴は、舌を出しながらウインクをした。
「その髪!服!マジどうしたの兄貴!?」
僕がそう訊くと、兄貴は笑って答えた。
「どうしたってカツラと、通販でポチったメイド服!」
「いや、そういうことじゃなくて…!」
てか兄貴、メイド服似合いすぎでしょ…。
可愛いって思っちゃったし…。
「ふふっ、欄今、俺の事可愛いって思ったっしょ?」
兄貴が言う。
「なんで分かったの!?」
僕が立ち上がると、兄貴ほ答えた。
「うーん、勘?てゆーかオムライス頼んでくるわ!後は家で話そーぜ!」
声を高めていた兄貴が急に地声に戻したので、その服で言われると違和感しかなかった。
─「ただいまー。よお!欄!」
僕が家に帰ってきた数時間後、打ち上げに行っていた兄貴が帰ってきた。
「おかえりー。って、何でまだその格好なの!?」
帰ってきた兄貴はなぜかまだ、メイド服にカツラをしていた。
「いやーそれがさ。俺も着替えてから打ち上げに行こうと思ったんだよ?でも、風季がどうしてもって言うからさー」
風季と言うのは、紅葉 風季くんの事だ。
風季くんは僕と兄貴の幼馴染みで、高三。なので今年は、兄貴とおなじクラスなのだ。
「それでメイド服で…?」
別にカツラだけだったら普通の女の子になるだけだからいいんだけど…。
メイド服って…!
「うん。ナンパされまくって大変だったよ~」
「へ…?」
兄貴がナンパされまくった…?
「俺、女装しよっかな~」
「え?なんで?」
僕が訊くと兄貴はこう答えた。
「ん~、何かナンパしてくるやつに地声で『俺、男ですよ?』って言って追い返してやりたい」
自分からそうするって…、悪趣味だな…。すると、兄貴が言った。
「じゃあ、明日早速してみよ!あっ、欄ももちろん一緒にね♡」
「は、はい…」
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