【めろぱか】クラウン〜王と道化師〜
ここは、四六時中ジョークとサーカスで笑いが絶えない夢の国。その国には絶対的な権力者の王🤴がいた。
その王は毎日、城に道化師を呼んでジョークや芸で笑っている、国民にも優しく安定した政治を行っていたが、
ある日を境に王は国民からも恐れられる性格へと変貌していった…
その出来事とは王妃の命日に起こった。
心から愛し、溺愛していた妻を亡くしたことに王は相当なショックを受けていた。そんな中、一人の道化が王の元を訪ねてきた。
その道化は、妃の命日だというのにも関わらずに、王のウケを取りに行った。
それに対し、王は溺愛していた妃の命日だというのに受けを取りにきた道化に激怒し、その道化の首をなんとはねてしまった。
それから数日、王は妃の死を受け入れられずにいた。しかも、あの道化師が首をはねられたという噂が国中に広まり、国はどんどん廃れていった。
ついに王は気が狂ってしまい、宮廷に仕えるくだらない絵を描いた画家の首もはねてしまった。そして王は、「これからくだらない人を発見したらその場で首を落とします。」と宣言した。そんな自分勝手な王に対し国民は、「次に首がはねられる自分ではないのか(´-﹏-`;)」と怯えていた。
だが、この絶望的時代を変えるときがついに来た。
たった一人の道化師🤡が「宮廷に向かって、おかしくなってしまった王をなんとかしてみる😠」と国民たちに宣言し、城へと向かっていった。
王を倒してほしいという国民の願いを叶える為に、まず王を慰めようと、その道化は妃の声を必死で練習していた。
その知らせを聞いた王は、「また首をはねられたい奴が来たかψ(`∇´)ψ」と思ったが…
城に入った道化は、王のいる部屋のカーテン越しに妃の声を発してみせた。それがあまりにも似ていたのか、王は涙を流した。
王がカーテンを開けたら、そこには今は亡きはずの妃が立っていたのだ。
だがこれは王の幻覚。つまり、王が目にしているのはただの道化であり、妃ではない。
王は妃が好きすぎてついに幻覚が見えるようになってしまったということだ。
だが王はお構いなし。幻覚の妃とワルツと聖歌を踊り始めたのだ。
王はその道化師の虜になった。
王は段々と道化師に「もっと王妃に化けてくれ!🤪」とひれ伏すようになっていた。
王が暴走している姿を見て、止めに入った人もいたが、王はあっさりと首をはねてしまった。
王が道化師に夢中になっていると、道化師が”あること”をしだした。
道化師が王に見せたものとは、自身の顔だった。その道化師の右の頬に傷模様の入ったハートがあり、左の頬に涙模様があった。
それが意味することとは、心に傷を負い、今まで隠していた涙を描いていたのだった。
この模様を王に見せ、「酷く似合うだろう、恐ろしく似てるだろう、なぁどっかで見た首と」と語りかけた。そこで王はハッと思い出した。「道化だったあの兄と」
実はこの道化師は、前回王妃の命日にウケを取りに行った道化師の弟であった。
兄(道化師)のような姿の弟(道化師)を見て、王は笑い出した。道化師は王に「あなたは道化そのものです。他者の意見を受け入れず、みんなから嫌われ、民に笑われるあなたこそ、私には道化に見えます。」
そして道化師は王を道化の姿に化けさせた。
王は「貴様、何を企んでいる💢」と道化師に言った。道化師は、「あのときの政治を取り戻すんですよ✨」
王には何を言っているのかさっぱり分からなかった。
「あなたはかつて国民にも優しい偉大な王だったのに、あなたの自由、自分勝手が国民を苦しめているんです。確かに妃を亡くして悲しんでいると分かってますが、その気持ちを悪用し、国民にまで危害を加えるのは違います。あなたにこの仕事は一切向いてません。やめるべきです。」と道化師は言って、道化に王冠は相応しくないですと、王(道化)から王冠を取り上げ、自分のメイクを落とし、王冠を自分に被せた。
まだ反抗する王(道化)に「私を笑わせる事ができたら、元に戻します。」と道化師(王)は言った。
しかし、芸はあまりにも酷くダメダメだったため、道化師(王)は王(道化)の首をはねてしまった。
そして、見事に下剋上を成し遂げた新しい王👑(元道化師)は、みんなからとても信頼され、かつての素晴らしい政治を取り戻すことに成功したのであった。😀