人殺しには最高の罰を

※とーと総選挙用に多少改変させた僕のOCのお話の切り取りです。

「懐かしいね。」

口が悪い先生なのに...珍しく丁寧。ひいきはしてくるし、雑にしてくるし、

みんなから嫌われてるんだ。

「なんで、丁寧な喋り方なの？」

僕は先生に聞いてみた。こっちを向いてから少し悩んだ顔をした。

答えに悩んでいるんだと思う。そんなに悩むことかは僕には分からないんだけど、きっと僕の年齢ならそれでいいと思う。

「ん～、そうだね。私が今から話すことは～」

ほら、一人称とかいうやつも変わってる。何かと丁寧になってる。丁寧なのも優しくて安心するけど、いつものも好きだ。ただ、目付きが少し優しいのもどこか違変だし、逆に怖い。だけど、いつも通りで目が綺麗だ。光が一切入らない謎の目は恐怖でしかないけど、綺麗なことには変わりない。

「俺が両親を殺めた話...だからだな。」

酷い。いきなり一人称ってやつを戻して？そしたら親殺しの話？先生が言うことはよく分からないのが大半だけど...、こんなのいつもよりわけがわかわない。なんで両親を...親を？

「っ...!!はっ！嘘に決まってんだろ。」

僕の顔を見てから笑わないでほしい。そんなにおかしな顔をしていたのか？そんなこと僕は知らないが...、

「んなことしたら教師なんてできるわけ...」

「何で嘘でも両親を自分が殺した...って言ったの？」

さっきからそんなんにまつわる話なんて全くしてなかったのに、何でそんな話をするんだ。それが疑問の1つ。そして、それが嘘っていうのも分からない。嘘なら言わなきゃいいのにな。周りから変に掴み所がねぇって言われんのも仕方ないってことか。

「あ゛～...ジョーク？」

「あとさ、」

「んん？なんだよ、どうかしたのかよ？」

「もし完全犯罪ならば、教師にだってなれんだろ...？」

「...へっぇ～??」

-んなこと、こいつが知るわけ...いや、知ってんのか？最近のガキャぁそんぐらい知ってるか。しかもこの年齢だし、知ってっか。てか、前よりも顔が大人っぽくかっこよくなってんじゃんか。なんか...んまぁ、本題はそこじゃないな。-

先生が俺に近づいてくる。こんぐらいの距離が普段の距離で、さっきまでの距離は滅多にない。学校で、「0距離みたいなもんだよね」と言われたほどだしな。0距離は言いすぎな気はしてくっが、あながち間違いでもねぇんだよな。...っ！それでも体育の時間のあれは話が別だ...あんのじじい!!

とか、なんとか考えてる隙にあいつの顔が目の前、いわば0距離にある。正直に言ってしまってもいいというのなら、ちょいと嫌だな。そんなに顔面自慢したいか？と、言いたい。てめぇは顔だけは良いからそこの点ではモテてた気ィもしてくるし、性格見てドン引き顔が基本的にだけどな。面食い引き寄せてんのかよ。

「お前さ、そんなこと言ってなかったよな？」

「...。」

「お前は俺に質問なんてせずに、一言、ただ一言だけだ。俺に言った言葉は」

あぁ、何を言い出してるんだよ...こいつはさ？

「”え？先...生？”っていう一言だ。」

「...。」

「お前はさ、」

やめてくれよ。恨みか？あの事故の恨みでもぶつけようとしてんのかよ...？ちょいと待ってくれ...嫌だ。嫌なんだ。もう少しでいいからさ、もうちょいとでいいんだ！！まだ!!ここで...!!

「なんで逃げようとしてるんだよ？」

「...ｯ!!!!!!」

笑わせてくれよ...、

「か゛み゛......し゛ろ゛、せ゛ん゛せ゛い゛！！！！！！！」

あ、あぁ、視界が...反転して？度々なるんだよな、この変な現象...

確か、先生が視界に入ってるときにだけ...、えっ、待てよ...嫌だ。

先生の顔が、あれ？先生、先生...あ、あぁ、ああああああ!!!!!!!!!!!

お前...誰だ？？先生じゃ...？？

「俺だよ。レーヌ？」

「どこかの誰かに見えるのか？」

「レーヌ、大丈夫だ...」

「もう何も...、怖がらなくていいんだよ。」

う、うう...嫌だ...この先はもう...

「見るな!!見るんじゃない！！レーヌ！！」

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「ﾊｯ...！」

...あぁ、あっちゃぁ、

「嫌な夢見たわ...、なんだっけ？あれからなんぼ経った時だったかな？

俺が...あいつら(両親を)殺ったのは...なんぼだったかなぁ？」

あいつがたまに言ってた気がするんだ。

「わりぃ生徒にはそれ相応な罰をな...？」

あの言葉は少しずつ言い回しが変わっていた気がする。なんと言っていただろうか？えっと、

「わりぃ生徒には最高の罰をな...」

先生はいじめも、内心面倒くさいと感じるようなやつで、外見は真剣に対応したとしても、内面じゃ真剣に対応することなんてほぼないし、いじめっ子へ説教するのは何か楽しそう。正直に言わせてもらってもいいというのなら、本当に性格が悪い。何故教師になれたのだろう。

「...でもさぁ、先生。わりぃ奴に説教するんだろ？ならさ...3、いや、2人殺した俺にはさ、どんな説教してくれんの？なぁ？」

寝室から出て、仕事の準備をする。毎朝思ってっけど、俺にはちょいと眩しいんだ。この朝日とかは。

「人殺しには最高の罰を...してくれないのかな」