英語に出てくる分詞って何?

2 2024/08/24 00:13

英語の勉強をしていると過去分詞や現在分詞などなど色々と分詞に惑わされることが多いことかと思います。そこで今回、みなさんの英語学習に役立つように、分詞の意味・用法・読解で大切なポイントを徹底解説していきます。

分詞は形容詞

まず第一に、分詞とは動詞を形容詞にしたものです。現在分詞は「~している(状態)」を表す形容詞で、過去分詞は「~された(状態)」を表す形容詞です。例えば動詞break(壊す)の現在分詞はbreaking(壊している)、過去分詞はbroken(壊れた)です。なじみのある形容詞も実は動詞の過去分詞だった、なんてこともよくあります。例えば「面白い」を意味する形容詞interestingは動詞interest(興味を引く)の現在分詞です。

interesting book(面白い本)

broken pc(壊れたパソコン)

1語の形容詞は多くの場合前から名詞を修飾しますが、2語以上の形容詞は後ろから名詞を修飾します。

star bigger than the sun(太陽より大きな星)

girl playing the violin(バイオリンを演奏している女の子)

student interested in the Japanese history(日本史に興味を持った学生)

pc broken by Tom(トムが壊したパソコン)

名詞+形容詞は全体として名詞になるので形容詞をいくら加えてもそれは名詞ですから、色々混ぜてカオスにすることもできます。

pc broken by the student interested in the girl playing the violin bigger than the sun(太陽より大きなバイオリンを演奏している女の子に興味を持った学生が壊したパソコン)

太陽より大きなバイオリンとはなんぞやと思うかもしれませんが文法的には正しいのです。分詞は形容詞なので、形容詞が理解できれば分詞の後置修飾も理解できます。「分詞は形容詞」を念頭に置いて次の説明に移りたいと思います。

どうして分詞がたくさんある文章が読めないか

日本語は形容詞のあとに名詞が来るので、日本人は「報告書タイプの思考回路」が備わっています。どういうことかというと、例えば「これは東京に住んでいる女子高生が書いた本である」という文を読むとき、「東京に」「住んでいる」「女子高生が書いた」と情報が追加されていくときは、「これ」とは何なんだろうと思考を巡らせますが、「本である」と言われたら「この文の情報はここまでなんだな」と判断し思考をストップさせます。つまり日本人は名詞が来た時点で文を読むのをやめてしまうのです。形容詞が続いているうちは名詞句(全体として名詞のはたらきになる語のカタマリのこと)は終わらず、名詞が来たら名詞句が終わるので、終わったらそれ以上情報がプラスされない「報告書タイプの思考回路」と私は呼びました。

これに対して英語圏の人たちに備わっているのは「インタビュータイプの思考回路」です。英語では名詞の後に形容詞(分詞)が来るのでモノの特徴の説明するのに終わりの目印がありません(これが来たら終わり、というものがないので)。報告書は報告書の最後まで行ったら追加される情報はありませんが、インタビューではこちらが質問を続けている限り情報は追加され続けるので、「情報の追加に終わりがない」という意味で「インタビュータイプの思考回路」と呼びました。これも例を通して考えてみましょう。

This is a book written by a high school girl living in Tokyo.(これは東京に住んでいる女子高生が書いた本である)

日本語では「本である」と言われた時点で情報がストップするのに対して、英語では「a book」の時点では情報がストップしません。つまり英語圏の人たちは「a book」と言われても「これはどんな本なんだろう」と思考を続けます。「これはどんな本なんだろう」「彼女はどんな女子高生なんだろう」と名詞が来るたびに思考をめぐらせるのが英語圏の人たちの読み方なのです。しかしながら、報告書タイプの思考回路の癖がついていると、「a book」と言われたときに思考をストップさせるので、そのあとの形容詞句が頭に入ってこなかったり、結局先行詞がなんだったのか忘れてしまったりして、文の前に戻って読む、いわゆる「返り読み」をしてしまうことがあるのです。

「This is a book」

報告書タイプ「本なんだ」

インタビュータイプ「どんな本なんだろう」

「written by a high school girl」

報告書タイプ「女子高生?」

インタビュータイプ「女子高生が書いたのか、その女子高生ってどんな人なんだろう」

「living in Tokyo」

報告書タイプ「何の話してるの?あ、本の話か?東京?あれ、、?」

インタビュータイプ「東京に住んでるんだ、どんなことが書かれてるのかなぁ」

この文は簡単な文なので、上に示した極端な報告書タイプのようなことになることはないかもしれませんが、文に出てくる単語が難しくなったり、もっと文構造が複雑になったりすると、報告書タイプの癖が出てしまい、英文読解の壁になってしまうことがあります。分詞や形容詞が複雑に入り組んだ文を読むときはとにかく「名詞が来たら常に後ろから修飾されると思うこと」「名詞で思考をストップさせないこと」「常に英文に疑問を持ちながら文を読むこと」が重要です。

完了の過去分詞・分詞構文

ここで分詞の例外的な用法を紹介します。1つは完了の過去分詞、もう1つは分詞構文の分詞です。完了の過去分詞は形容詞ではなく「have+過去分詞」という動詞の変化の一部です。また、分詞構文は全体として副詞なので形容詞句ではありません。現在完了がどういうものなのか解説したトピックはこちらにありますhttps://tohyotalk.com/question/685154。分詞構文に関しては今後トピックを作る機会があれば解説しようと思います。

まとめ

分詞は形容詞なので、形容詞が理解できれば分詞は理解できます。英語の形容詞は長いと後ろに置かれるので、名詞が来てもそれ以降に情報が続くと考え、思考をストップさせないことが大切です。

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